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友達に。
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千尋と約束したし。
仕方ないよな?
もともとそういう人をほっとけないってのもあってか、綾小路くんに声をかけるのはすんなりとできた。
「次の授業レクチャー室に移動だよ。場所わかる?」
「………」
うつむいて答えない。
だけど、問いかけたまま少し待ってみた。
「…………知らない」
「そっか!じゃあ案内するから一緒に行こう?」
「…」
答えはしないもののこくりと頷く。
よし。順調だっ。
綾小路くんに持ち物を教えてあげて、一緒にレクチャー室に向かう。
「さっき弟さんにあったよ?千尋くん」
「え、千尋っ」
千尋の話題を出したらすごい嬉しそうな顔をした。
よし、順調かな?
「うん。本当にそっくりだねー」
「ま、まあ双子だし」
「そだね。俺双子って初めて見たんだ!好みとかも一緒なの?」
「千尋は辛いのが好き」
「綾小路くんは?」
「…俺は甘いの」
少し照れながらうつむいて答える綾小路くんの手を思わずとってしまった。
「俺も!俺も甘いの好き!結構みんなにバカにされるんだけどなぁ。美味しいよな?」
「ああ。甘い方が美味しい」
「だよな〜」
意外なところで共通点を見つけ、少しテンションが上がる。
「はい、ここがレクチャー室な。俺たちの教室から結構遠いから時間余裕待たないと遅刻するからな」
「ありがと」
「あ」
お礼を言いながら、ニコッと笑った。
初めて見た綾小路くんの笑顔はとても可愛かった。
千尋のにこにこした笑顔よりも、くしゃっと目にシワがいくところとか、そんなところが可愛く見えた。
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