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乙女の恋路の行く先は
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「馬鹿かアンタ!男だって強調して言ったよね!?
女が男子校に行けるわけないだろ!?」
「優樹!気持ちはわかるけど一旦落ち着け!」
椎名が僕の肩を掴み、必死に宥める。
が、僕は目の前の彼女にキレる。
女に見られたくなくて男子校をわざわざ選んだのに!
頑張って勉強して入学したのに!
「だってこんなに可愛い男子いる?普通いなくない?」
「かわいいって言うな!かわいいって!
それ男からしたら全然褒めてないからな!?
かわいいって言われたらオカズにされてると思え。
とか某SNSに書いてあったけど全っ然嬉しくないからな!?」
「だから優樹は一旦落ち着けってば!」
「大体、君は誰なの!?人を女呼ばわりして、何なの!?」
「優樹、それに関してはもう不慮の事故だから!許してやれ!」
「・・・三城は何をしているんだ?」
渡島先輩の声が聞こえて、僕はふと冷静になる。
・・・試合、いつ終わったんだろ。
「あっ、渡島先輩 ナイスタイミング!ちょっと優樹が暴走しそうなんで止めてください!」
「え!?わ、わわわ渡島さんっ!?」
はっ!と目を見開き、彼女は渡島先輩の方を勢いよく振り向く。
渡島先輩の隣にはビックリした顔の八重樫さんがいた。
「ん?八重樫の妹ではないか。久しぶりだな」
「お、お久しぶりですっ!」
「千夏はミキちゃんに何したの?」
「お兄ちゃんは黙ってて」
顔を真っ赤にさせて、嬉しそうに彼女・・・
いや、八重樫さんの妹さんは笑顔を浮かべる。
・・・・・・・・・・・・ん?
「「妹!?」」
椎名と見事にハモる。
そう言われればどことなく目元とか雰囲気が似てる気がする。
「うん、コイツはオレの妹の千夏だよ。
で?いつの間にミキちゃんと仲良くなったの?」
「ミキちゃんって、やっぱり女の子なの!?」
「女はアンタしかいないから!!」
仲良くなった記憶は微塵もない。
喧嘩を売られた記憶しかない。
「でもそこらの女の子より優樹が普通に可愛いけど」
「OK。喧嘩売ってるんだね?買ってあげるから、ちょっと場所移動しようか?」
「どうしてそんなに怒る?椎名の言う通り、三城は可愛いぞ」
「「・・・・・・・・・え」」
今度は妹さんとハモる。
「後輩は皆かわいいものだろ?」
きょとんとする渡島先輩の可愛い発言に、
妹さんはショックを受けた顔をする。
多分、後輩云々は聞いてないとみた。
「渡島さんが可愛いって褒めてるの初めて見た・・・
わたしには一回も言ってくれた事ないのに・・・」
「? 八重樫妹はどうしてショックを受けてるんだ?」
鈍い。鈍すぎる。
「千夏ちゃん、かわいそうに・・・」
椎名なんか同情してるし。
「ところで渡島。さっきの試合で負けた方が勝った方の質問に正直に答えないといけない訳だけど・・・」
え、何 そのギャンブル。
地味に恐い。
僕は力が緩んだ椎名の腕を払いのけ、
渡島先輩の肩に手を置く八重樫さんを見る。
「・・・それ、本気だったのか」
渡島先輩は意外そうな顔をした。
「当たり前だろ?男に二言はねぇよ」
「お前の事だから冗談だと思ってた」
「お前もOKしたじゃん。だから今する質問に正直に答えろよ?」
どうやら渡島先輩が負けたらしい。
こんなムキムキな柔ど・・・じゃない。
渡島先輩が、細マッチョ先ぱ・・・じゃない。
八重樫さん負けるなんて事があるのか・・・。
ホームランでも打ってしまったのだろうか。
(試合、見ればよかった・・・。)
でも、八重樫さん。
渡島先輩に一体 何を聞くんだろう?
「お前 千夏の事 どう思ってる?」
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