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イケメンチートとスイーツ男子
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真紅の苺と純白のクリームが美しいショートケーキ。
宝石の如く輝く果物が敷き詰められたフルーツタルト。
濃厚なチョコレートの香り漂うガトーショコラ。
パステルカラーが愛らしい色とりどりのマカロン。
カラメルソースが香ばしいクリームブリュレ・・・
「いくらなんでも多すぎない!?」
他にもシュークリーム、モンブラン、ムースケーキ、スコーンetc……。
色んなスイーツが大きいテーブルを埋め尽くし、
部屋中を甘くて幸せな香りで満たしていた。
「いや、優樹に食べてもらえると思ったらつい作りすぎちゃって。」
お前は僕の彼女か!?
でもそういうセリフは可愛い女の子に言われたかった!
「余ったら俺がたべるから気にしないでいいよ」
「鷹雅兄さんって確か甘いの・・・」
「普通。どっちかというと辛党」
「だったよね」
鷹雅兄さん、絶対にケーキが余った時のこと考えてなかったでしょ。
甘党の僕は内心ため息をつく。
「にしてもすごいね。これ作れるの?」
「俺が作れたから作れると思うんだけど」
「ごめん、鷹雅兄さんの「普通」や「簡単」は信用出来ない」
「何で!?」
だって鷹雅兄さんってさ。
最近人気芸能人並に番組にも出てる有名敏腕社長だし、楽器も演奏できるし、パソコンもできるし、
言語も5カ国語はマスターしてるし・・・
要するにイケメンチートだし。
努力も勿論したんだろうけど、僕みたいな平々凡々な人とはもはや次元が全然違うんだよ。
「一応レシピあるから美味しいし作れそうだなって思ったらそれをメニュー化しよう」
「わー、僕 責任重大だね」
僕は席に着き、目の前にあったショートケーキを切ってお皿に盛る。
「どうぞ召し上がれ」
「いただきます」
さっそくショートケーキを口に運ぶと、
蕩けるように甘い生クリームと苺の甘酸っぱい果汁が口の中にいっぱいに広がる。
「んー、美味しい!」
しかも見た目ほど重くないからパクパク食べられる。
夢中でケーキを頬張っていると、鷹雅兄さんが色んな小さく切ったケーキが盛られたお皿を前に置いてくれる。
「他にもあるからいっぱい食べていいからな。
むしろ食べてくれると助かる」
「ありがとう」
僕は幸せに浸りつつ、気になったケーキを片っ端から食べていく。
「ごめん、もう無理かも」
駄菓子菓子。
・・・間違った、だがしかしそれも長くは続かなかった。
スイーツでお腹いっぱいになった僕は胸焼けに襲われる。
「・・・優樹ってこんなに食べる子だったっけ?」
「え?そんなに?」
「1人でケーキを約5ホールも食べる人ってなかなかいないと思うけど」
「スイーツは別腹だよ」
「胃は1つしかないからね?」
僕は苦しくなったお腹を撫でる。
「これ、苦しいかもだけどお口直しに」
「ありがとう」
鷹雅兄さんがそういってコンソメスープを渡してくれる。
野菜とお肉の旨みとほんのり塩辛いのがとても美味しい。
「そういえばケーキ食べてる優樹に夢中で気付かなかったけど、時間は大丈夫?」
鷹雅兄さんは僕の顔に手を伸ばし、下唇をなぞる。
そして指についたクリームをペロリと舐めとった。
伏し目気味という事もあり、え、エロい・・・。
「じゃない!何してるの!?」
「生クリーム すこし甘いな」
「誰もクリームの感想は求めてないからね!?」
「口についてたから取った方が早いなって」
僕は触れられたところをハンカチで拭う。
鷹雅兄さんは余ったケーキにラップをかけると冷蔵庫にしまっていった。
僕もケーキを冷蔵庫に入れながら腕時計で時間を見ると針は9時ピッタリを指していた。
(寮の帰宅時間まであと1時間しかないな。
でも車で送ってもらえたら間に合うよね。)
すっかり暗くなってしまった外にチラリと目をやる。
「もしよかったら今日泊まってく?」
「いや、明日も学校あるし 帰るよ。送ってくれると助かるんだけど」
「それはいいけど・・・優樹。実は会った時からずっと聞きたかった事があるんだよね」
ヒョイっと僕が持っていたケーキを取って冷蔵庫にしまう。
どうやら僕が持っていたのが最後だったらしい。
「鷹雅兄さん、どうしたの?」
僕はキョトンとしながら鷹雅兄さんを見つめる。
鷹雅兄さんは複雑そうな顔をしながら僕と距離を縮めていく。
「な、何?何かあった?」
動揺しながら後ずさるが、
すぐに壁に背中が当たってしまった。
「優樹・・・」
「は、はい!」
「それ。首のとこの、どうしたの?」
何とも言えない顔をした鷹雅兄さんの視線は、綾人さんがつけたキスマークをしっかりと捉えていた。
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