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いざ、戦闘へ。
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「2人はそういう関係なの?」
茶筅を持つ手を止めて、部長は驚いた顔をする。
『はい、そうです!』
「いえ、全く!」
・・・・・・・・・。
「えーっと・・・どっち?」
「全然違いますから。」
『っ!・・・そっか、照れちゃって。可愛いなぁ』
「(ヒイイッ!?)」
僕は数分前まで大丈夫発言をしていた自分を殴りたくなる。
(照れてないし、そもそもアンタ誰だよっ!)
もう既に大丈夫じゃない感しかない。
控えめに言ってヤバイ。
「とりあえず、一旦落ち着こうか。
はい、お茶をどうぞ」
お口に合えば良いのですか。
と慣れた動きでお茶を運ぶ。
「うわっ、にっがい!」
「うっ、なんかドロっとしてる」
「これ本当に抹茶なのか?」
ストーカー達の発言に部長の笑顔が一瞬固まる。
「そうですか。お口に合わなくて残念です。
私と同じで優樹は抹茶が好きでいつも幸せそうに飲むのですが、貴方達は好みが違いましたか」
なんで『私と同じで優樹は』ってとこ強調した?
しかも、呼び方変わってるし。
『抹茶美味しい!』
『こんな美味しい抹茶 飲んだことない!』
『NO 抹茶!NO LIFE!』
好みは人それぞれだから無理はしないでいいと思う。
僕は自分の抹茶を飲みながら、そんなに苦い?
とストーカー達のお茶をチラッと見る。
すると抹茶の色が僕の倍以上濃かった。
僕のが若葉の様な柔らかい緑だとしたら、彼らのは鬱蒼と茂った森の奥のような深い緑をしていた。
「・・・先輩、あれってもしかして濃茶「みしろ君?どうしたの?」・・・ナンデモナイデス」
わざとか!!わざとやったのか!!
しかも部長怒ってる!?この人たち 仏メンタルって言われてる部長を怒らせたの!?
いや、僕に対してなのか!?一体何やった!?
「優樹、すっかり忘れてたけど彼らとお話しがあるんだよね?」
すっかりって・・・僕がここに来てからまだ3分ぐらいしか経ってないけど。
「今から先生のとこに行くから自分は席を外すけど、優樹は1人で大丈夫?」
部長はチラッと抹茶と格闘してるストーカー達を見る。
いつも飲んでる薄茶ならともかく、僕でもなみなみと点てられた濃茶をすぐ飲み干せる自信ない。
(大体、濃茶って1人じゃなくて皆で回し飲みするものだし。)
「・・・多分、大丈夫です。先輩 行ってらっしゃい」
告白だけならまあともかく、
ストーカーされてた事は部長に聞かれたくない。
ストーカー達の表情が明るくなったのは気のせいだろうか。
「わかった。じゃあ職員室に行ってくるけどなんかあったら遠慮なく呼んでね。ついでに帰ってきたら抹茶のおかわり持って行くから」
ストーカー達の表情が一気に暗くなった。
ついでが本命の様な気もするけど・・・。
そんなに辛かったのか、濃茶。
部長は静かに和室から出ていく。
僕は薄茶を一口飲んで、姿勢を正した。
「・・・それでは本題に入ります。この手紙を僕の下駄箱に入れたのはあなた達ですか?」
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