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新参者と忍ぶ影
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「坂田副長、少し休みますか?」
「え、いや、……そうだな」
「じゃあ、あの茶屋で休んでいきましょ」
銀時と言えば、昨日、風呂に入り
自室へ足を運んでいる際に
土方に呼び止められた
真面目な気質なのか、その責任感故かは知らぬが
土方に夜遅くまで、あの分厚く、細かい文字たちを頭に叩き込まれた為、寝不足でうつらうつらしている
「坂田副長?……大丈夫ですか?」
「………ん?なに?」
軽く眠りに入っていたその目が
眠たそうにうっすらと開かれる
「いえ、何でもないです」
「……そう」
再び眠りに入ったその時、きゃーっっ!引ったくりよ!!という悲鳴がそこに響き渡る
「俺の」
「どうしたんですか?」
「俺の、睡眠の邪魔をするんじゃネェェェッッッ!!!」
明らかに怪しいその人物が、此方に向かってくる
すると、銀時はゆらりと立ち上がったかと思えば、
犯人が目の前を通りすぎようとした瞬間、犯人の喉元めがけてクリーンヒットを繰り出す
犯人が倒れこむと、うつぶせの犯人をひっくり返しその襟元をひっつかむ
「こちとら、眠いなか見回りやってんだよ、仕事増やすんじゃねぇ」
「ちょっ!落ち着いて下さい」
「あぁ?此方はネ、ム………」
銀時はフラりと言う効果音の音そのままに地面に倒れる
「え、坂田副長、副長っ!?大丈夫ですか?」
焦って揺り動かそうとも
びくともしない銀時に焦るが
聞こえてきた寝息に
一息をつく
「えっと、……取り合えず、犯人屯所に連れていくかな」
※
「重い」
犯人に手錠をかけ、この眠ってしまった坂田副長を
なんとか路の端に寄せるがこれからどうしようかと首を捻っていると真選組のパトカーが目の前で止まると
局長が窓から顔を出す
「おぉ、どうした?こんなところで」
「局長!実は……」
今まであったことを、聞くと
豪快に笑い
人好きのする表情で後ろに乗るように促される
このままじゃあ、どうすることも出来ない為、素直に後ろに乗る
子供の様なあどけない表情で眠っている坂田副長を見ながら、目の下にうっすらと隈があるのに気づく
「どうやら、昨日、トシにしごかれたみたいでな、深夜までやってた」
「副長ですか、そりゃあこんなに爆睡もしますね」
「全くだ、俺が書類出すの忘れてた日なんて、鬼の様な形相で朝一で飛び込んでくる、その顔が恐ろしいのなんの」
「それ、端に。局長が悪いんじゃないですか」
屯所まで戻り、車のエンジンが切られると坂田副長が目を覚ます
「ん」
「あ、坂田副長、起きましたか
屯所につきましたよ、丁度、見回りも終わる時間なんで夕食まで寝てたらどうですか?」
余程眠いのか
返事をすることもなくパトカーを降りると
自室に向かっていく
余りのふらふら状態に、心配になる程だ
「ったく、アイツ。やっぱり寝てねぇな」
その局長の言葉に疑問をぶつける前に
局長は坂田副長の元へと駆け寄っていってしまった
※
「坂田さん、大丈夫ですか?」
「ん?……大丈、夫」
未だに寝不足顔でうとうとしながらも
箸をそろそろと口に運ぶ
銀時を心配するような声色に
夕食を食べに来ている一同が驚いた様な表情で見ていた
それもその筈、銀時に近づく者など
山崎、新八は勿論のこと仕事の言伝て以外には
好奇心や嫌悪感を示すものの他はいなかったのだが
水城はそのどれとも違う
山崎もその一部始終を柱の影から覗いていた
「俺だって、そんなに旦那と食べることなんか少ないのにっ!」
山崎は、嫉妬の炎をその瞳に宿らせ
水城の背中を親の仇でも見たかのように睨み付ける
「山崎、お前何してんだ?」
「ちょっ!邪魔すんなよ、今、忙しいんだからっ!!」
「何だ、アイツ」
「いいからほっといて、飯食おうぜ」
「あ~っ!あ~~~っ!!そんな持ちかたしたら落ちる、ミニトマト落ちます。起きてください、旦那」
「銀ちゃん、ミニトマト落ちるアルヨ!私が変わりに食べてやるネ」
「そうそう、落ちるおちる………おちる」
山崎は灯台もと暗しと言うか、恋は盲目と言えばいいのか
その少女の存在にきずいていなかった
そしてその存在にきずいた山崎の頭に浮かぶのは
ただひとつ
…………あの子、だれ?
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