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血臭と怯え
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「銀時、それがテメェの返答でいいんだな。それじゃあ、その望み通り。その恩義とやら返せるもんなら返してみな。その手から、また零れ落ちるもんを見ていきながらな」
「何を」
相変わらずよく分からないことを
抜かす高杉の方を向くと同時に
そのベンチに押し倒されたかと思えば
喉元を片手で締め上げられ
高杉の薄い唇を押し当てられる。
「………んッ、……ふ…ッ!!」
息苦しさの中でもがくが
こいつにとっては何の痛手もないようで
フッと笑いながら高杉の舌は俺の口内を蹂躙し続け、頭の中には厭に水音だけが
響いていた。
段々と、酸素が回っていないのを
感じていった時だった。
キャーと言う悲鳴と男の不気味な笑い声が
静寂な夜に響き渡った。
「…ッと、危ねぇな。噛むことねぇだろ、銀時。」
高杉の顔を睨みつけてその唇にガブリと
噛みついた時に出た血を高杉は指で拭い
後ろに退いて何時もながらの人を舐めた様な態度を崩しもしない高杉に締め上げられていた首をさすりながら睨めつける。
「……ッ、!!ゴホッ、危ねえのはお前の方だ、高杉。ふざけたことしやがって」
「クククっ、フザケたことねぇ。昔から思ってたが、鈍い男だな。いや、馬鹿といった方があってるか、まぁいい時間稼ぎもできたことだ。俺は高みの見物させて貰うとするかねぇ」
高杉の言うとおりに動くのは
癪だが、さっきの悲鳴とあの声を追うため
その場から立ち去った。
「何なんだ、アイツ」
唇を拭いながら
さっきの悲鳴がした方向へと
足を運ぶと薄暗い路地には異様な光景が広がっていた。
誰かの血痕のようなものが
地面や壁に染みついていた。
そして何よりその血の臭いを
嗅ぎつけたのか数羽の烏があたりを飛び回りよりいっそう不気味さを際立てていた。
「銀さんッ!!」
「お前、今日は神楽と祭りだったんじゃあ」
「神楽ちゃん飽きちゃったみたいで
お祭りから戻る途中であの叫び声が聞こえてきて途中で合流した山崎さんに預けてきました」
「お前、危ねえから一旦ここで待っ」
「待ちません」
「わーったよ。気をつけろよ。眼鏡くん」
「てゆうか、眼鏡じゃあなくて新八って何度言ったらわかるんスカ?!」
「はいはい、そうだったね。」
「今度呼ぶときはちゃんと呼んでくださいよ。」
「はいはい。」
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