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予測不能と白い人
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隊士の中でも地味目の男、山崎退は
今、ある一室に複雑な心持で向かっていた
真選組の渦中のまさに、中心になっている銀髪の人、坂田銀時の部屋に
そこに向かっているのも、局長の部屋に呼ばれたのがきっかけとなった
「山崎、銀は仲間とうまくやれてねぇのか?」
突然の言葉にひやっとした
監察としては、攘夷浪士の動きがあれば、尻尾を掴む為密偵と言うか、潜入するのは勿論
真選組内に怪しい動きがないか探るのも仕事だ
しかも、局長が切り出した話は俺が、いや、組内の誰もが気にしていること、または関わっていることなのだ
坂田副長が組にきて、まだ数日だと言うのに坂田副長に向けられる視線や言葉は冷たい
あんまりな内容の会話まで俺に伝わってくる、何か大きな騒動が起きるのではないか心配なほどだが
坂田副長はそれに対して対処することは何もしていない
、今もそして恐らくこれからも、興味もなさげで、俺たちに対して、関心も何もないようにまで感じる
何もその瞳は映していないと、まぁ、局長と一緒のときだけは違う気がした。
坂田副長を遠ざける要因は
各隊長たちが坂田副長を良く思っていないのが大きいだろうけど
局長に慣れるまでは仕事はしなくて言いと言われたとも知らず
朝、昼、夜と食事だけとっては自室に篭って何もしない奴だと思った隊士達が
それをおおげさに誇張を含めた話を大部屋で同室の隊士達に触れ回った
そのため、坂田副長を険悪の対象として皆が見ていると局長がきずいてるのか
それに・・・副長のとこにもいっていない、この数日の嫌と言うほどの多大な量の情報を
一応、副長の管轄下に置かれている身としては副長に伝えてからじゃなければ局長にも話せない
そんなことをごちゃごちゃ考えていると
「いいか!?」
嬉しそうに声を弾ませた様子のゴリ、・・じゃなくて局長がいた
それを目の前にして俺の頭の中が、クエスチョンマーク一色でいっぱいになって
かろうじて出した言葉がはい?だった
その言葉に反応してますます笑顔の局長が俺の手を両手で強く握ると
力いっぱい上下に大振りする
ます、ます意味がわからない
えっ?・・何、俺の知らない間に何が起こったんだ?
「あの・・・?」
「いやー、よかった、よかった。俺は、心配してたんだよ
じゃあ、山崎、銀をここから連れ出して町の案内よろしくな!!」
二カッと笑った拍子に白い歯が唇の隙間から覗く
親指をグッとたてると、じゃあ俺は昼食でもたべにいくから、と俺を呼び出したのにも関わらず、それだけ言い残して
部屋から気分よさ気に出て行った
え!?、俺、そんなこと言ったけ?
足どりが軽い局長の足音が聞こえないほど、遠くまで離れていったが、
俺は局長の部屋でよくわからないが局長に頼まれたから坂田副長の部屋に行かないとなーと思いつつもボーッとして動かなかった、動きたくなかった
そんな時、ぎゃははという笑い声が近くでした
山崎自身はははきずいてないと思うが自然に眉間にしわが寄ってしまうほど、険悪感を持っている声だった
山崎は、監察と言う職業柄顔に表情は出さないのだが
「おい、お前ら知ってるか?」
「あの、白髪野朗昔、身体売ってたらしいぜww」
「えっ・・・まじで、引くわー」
「きもっww」
「えっ・・・じゃあ、ホモ?」
「やべぇー、狙われてんじゃねww」
俺は、厄介ごとには余り関わりたくないし、人に何か注意できるような人間でもない
できれば、避けて避けて避けまくりたい
だが、こんな下衆な内容の話をしている隊士達が、この部屋に近づいてくる足音と声その言葉に、足音にイライラが募っていき、黒いもやもやしたものが胸に
どんどん溜まっていく
俺は、何をしようとしてるんだろうと冷静な考えの自分もいたが
___ガラガラッ
俺は、その隊士達が通る瞬間の戸を思いっきり開けた
思ったとおり、山崎の顔を見るなり、罰が悪そうな表情を浮かべる隊士達がいた
「山崎さん、・・こんちはーっす」
図太くも何もなかったことを装うというか山崎に知られることをどうとも思っていないような
3人のうちの1人の隊士は軽く山崎に挨拶をしてするっと山崎のもとから離れる
それに便乗するように、残りの2人が先に離れた1人の隊士の方に少し小走りで駆け寄る
「・・・あっ」
手を3人のほうに伸ばして言葉を発そうとしたがその言葉は出てこなくて
3人は俺の死角に消えていった
「はぁっ・・・」
局長の部屋の前の縁側で項垂れていると
自然にため息が漏れた
自分の情けなさに、そして自分より年下の隊士になめられた気がして
はぁー、ほんと何やってんだろ俺は、さっき何で注意しようとしたんだ、何でできなかったんだ
両極端な考えが頭に浮かんでは消え浮かんでは消えの繰り返しで、又ため息が漏れる
俺は手で頬をバンッといい音を立てて気合を入れて勢いのままに立ち上がると
坂田副長の部屋へと足を踏み出す
坂田副長の部屋の前まできたはいいが、・・・ここからどうしようか
初対面だし、一応役職柄副長ということで目上の人だし、緊張するしどうしようというか返事とか坂田副長してくれるんだろうか?
1人で悩んでも仕方が無いことを考えたが、もう開けちゃえばいいやとおもって思いっきり、戸を開ける
もう、ほぼ全開で
開けた拍子に入ってきたのは、布団の中からちょこんと飛び出す銀髪の髪の毛
寝てる?・・じゃあ、一旦戻るかと戸に手をかけた瞬間
「あんた、悪いけど閉めてくれる?」
この男所帯では聞かない柔らかで透き通ったモノが聞こえてきた
俺は、ドクンと胸がはねた
緊張するなぁ
声が裏返らないか考えながらまだ見えない坂田副長に話しかける
「すいませんけど、副長俺と出掛けてください」
「・・・・・・・・・嫌だ、寝る」
「ちょっ・・・!!困りますよ局長から頼まれているんですから」
まぁ、記憶にないけど局長に頼まれたと言うと、
坂田副長は布団から顔を出して一瞬目があったと思うと俺の顔をまじまじと見つめていた
なんだろ?何か俺の顔についてるかな
「挙動不審な地味なやつ」
「え?」
「桜の木下でみたよ、あんたのこと」
桜の木下?なんの・・・あっ!!
「・・・・・・そうですね」
覚えててくれた、なんだかそのことが嬉しくてこそばゆい感覚が全身に広がって
自分が発する声も自然と浮き足立ってる
「思い出すの遅いね、あんた」
「坂田副長、俺には山崎退ってれっきとした名前があるんですから“アンタ”
じゃなくて山崎って呼んでくださいよ」
俺が自分の名前を名乗っていると、坂田副長は、少しだけ笑っていた
普通なら怒るような場面だが、俺はそれが嬉しかった
でも、坂田副長はすぐに無表情に戻り、行かないと切り出してきそうだったから、坂田副長の話を遮り布団を
無理やりはいだ
すると坂田副長は、白の着流しを1枚だけ着ていて、俺は一瞬固まった
暗い部屋の中の一室、普段だと隊服で見えない部分が露出していたのもあるが、
布団を無理やりはいだ為か鎖骨、胸元、太ももが見えていた
肌が普通の男より白く感じて、色っぽいと感じてしまった
男にそんなこと思うなんて俺は、結構ショックなとこもあったが
局長も似たようなこと言ってたし、いっかと
1人で納得した
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