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転と嗅覚
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ヒラヒラと古びた赤い御守りをふりながら、銀時が廊下を歩いていると
向こうから立崎、横井、島田の三人が銀時に気づくとニタニタとと嫌な視線をやりながら歩く
等の本人はそんなことは気にした様子もなく、一瞬、視線を三人に向けたが直ぐにその古びた御守りに戻す
銀時と隊士たちのすれ違い様
角刈りの髪型をした立崎が銀時にぶつかる
ほんの一瞬、銀時が痛みに声をあげ、脇腹辺りを軽く手で抑えた
それを意外そうに三人の視線が向かう
銀時の負傷部分に丁度当たったようだった
立崎、横井、島田はそれぞれに
大丈夫ですか、すいませんと
心配な声を上げ
さりげなさを装い銀時が痛みに声をあげた脇腹辺りに手をやる
肩より短いした暗い茶髪をした横井がニタァっとした笑みを浮かべると脇腹部分をわしづかみ、銀時は今度こそ痛みを顕にする
「汗かいてますよ」
「気にするなっ」
銀時は黒い短髪の島田が銀時の額へと伸ばした手首を素早く掴む。
その拍子に一瞬、島田と銀時は目線をかち合わせる。銀時は、一言だけポツリと呟くように話すと、一瞬あった視線と共に手首もパッと離す。
横井、島田は痛みに苦しんでいる様子も
なく先を歩く銀時の背に顔を歪ませる
「つまらねぇな」
「痛みに耐えてる様子もねぇ、さっきのは気のせいか?」
「かもしれない、でも、確める価値くらいはあるだろ」
銀時の背を見ながら
横井の意見に島田も同調する
苦虫を潰したような表情の横井、島田に
立崎は呟くように話すとニタッと口元に三日月を妖しく描き
その背中を見つめ続けた
※
「いてぇっ…」
銀時は片手を木製の柱に手をつき
もう片方は脇腹を掴みながら
歯を食い縛り痛みを堪える
どくどくと熱が籠る患部を労るように擦る
「どうかしたのか」
銀時が驚いた表情で
振り返るとそれに驚ききょとんとした顔の近藤の姿があった
「……あんたか」
「あんたってひどくない?!ねぇっ!!」
「こんな所で何してんの?」
「それは、俺の台詞なんだがなぁ
俺の部屋の前でお前こそ何してんだ?腹なんか抑えてそれに汗かいてるぞ?」
近藤が銀時の額に手を伸ばし
触れる直前で銀時が踞り腹を抑える
近藤はその様子に慌てて銀時と同じ位まで屈むと銀時は鼻を摘まんで近藤を見る
「………くせぇ」
「え?何がっ!?」
「あんた臭うぞ」
「え?!何々?臭う?俺、加齢臭はまだだと思うけど?!大丈夫だよねっ!ね?」
「……臭ぇよ、あんた酒飲んだ
加齢臭に加え酒臭いってヤバイだろ」
「え?!臭ってんのうそぉ!!」
「ちゃんと身体洗えよ」
銀時にそう言われると
ダダダッと音をたて洗面所に向かっていった
その後ろ姿が小さくなるのを確認し
柱に背中を預ける
「変な所で、鋭いから嫌になるねぇ全く野生の勘ってやつか?
てか急にしゃがむんじゃなかった
ちょういてぇー」
柔く患部を撫で上げ
額の汗を拭うとずっと右手の人差し指に引っかけてあった御守りにきずき、手中で弄ぶ
「すっかり忘れてた」
暫く眺めていると
何処からか旦那と呼ぶ声が聞こえると、ポケットにそれをしまいこむ
それと同時に山崎が姿を現した
山崎が銀時を上から下までじっと見るような視線をおくる
「なに」
「今日こそは、さっさと病院行きますよ」
「今?」
「今です」
山崎の気迫に
銀時は若干根気負けし
ゆっくりと腰を上げ
山崎の後ろをついてあるきパトカーに乗り込んだ
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