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3人と…
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結生を見送ったあと、ベッドに倒れ込む。
あの子は…人の気づいて欲しくないところにばかり気づく。
結生には、何も隠せないかもしれない。
きっと、そのうち俺のことを全部知って、それでも、俺を絡めとってくるだろう。
あんなに実直に好意をぶつけられたのは初めてだ。
あんなに真面目に好き、とか、愛してる、とか言われたのは初めてだ。
怖い。
人からあんな風に好意を向けられたのは初めてだから、怖い。
失いたくない。
無くしたくない。
消えて欲しくない。
ずっと俺のそばにいて欲しい。
でも、それはきっと許されない。
「榊 結生と榊 由真」
榊の人間は本当に不思議だ。
俺の本質に触れても飄々としていやがる。
「悠也も、か…」
俺と似ている部分があるからか、悠也には、初めて会った時から気を許せた。
この3人“だけ”は、失いたくない。
やっと手に入れた俺を見てくれる人。
ずっと存在してこなかった俺に姿をくれた人。
ーーピロン
機械的な電子音が部屋に響いた。
メッセージの内容は【進級おめでとう】。
差出人は、俺と同じ名字を持つ男。
送られてきたその7文字は、お前は姿を持つことを望んじゃいけないんだよと、俺のことを嘲笑っているようだった。
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