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何かが、起こる(*)
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「仕事多いですねぇ」
「まあな。でも、行事のある時だけだし頑張れ」
「今日の夜ご飯なんですか? いい匂いしてきた」
「カレー」
「やった」
仕事をある程度終え、先輩の部屋におじゃまして夜ご飯を待つ。
こんな生活も、2週間ぐらい続いてる。
休みの日とかは昼ごはんを作ってくれることもあるが、和洋中どんな料理もめっちゃ美味しい。
そして何より、料理してる時の先輩の顔を見るのが好き。カッコいい。
「そんなに見て、楽しい?」
「うん。先輩の鮮やかな手並みと美しい顔立ちを見てると幸せになれます」
「ふふ…変人」
「だって、遥人先輩綺麗だもーん」
「ありがと」
綺麗だ、とかカッコいい、だとか言い続けるうちに、先輩は否定しなくなくなってきた。
いい傾向だ。
ーーピロン
先輩の携帯にメッセージが届いた。
「先輩~、なんかきましたよ。あら、き? って人から……今から家に行くって…誰ですか?」
「いっ……」
先輩の悲痛な声が聞こえてきて、台所へ向うと、そこには指から血を流す先輩。
「先輩!? 血が!」
「…ごめん。大丈夫だから…鍵、閉めて!今すぐ!!」
「え、あ…はい」
ドアへ向かい、鍵を締める。
台所へ戻ると先輩の姿はなく、奥の部屋に行くと、絆創膏を貼るのに苦戦していた。
「やりますよ……はい」
「ありがとう」
「新樹って、誰ですか?」
「あぁ…俺の兄貴。……もしアイツが本当に来たら、絶対音をたてるなよ。何があっても!」
「何で……」
ーーピーンポーン
間抜けな電子音が響いた。
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