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新樹という男(*)
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「ダメだよ…先輩!」
「でも、次が、怖い……もしら結生や、由真がいない時に何かされたら、俺は…抵抗できない…」
「それでも、その様子…何かあるんでしょ?」
ひゅっ、と遥人先輩が息を吸うのが聞こえた。
俺を見下ろしてくるその瞳は恐怖に染まり、涙に濡れているのに、何時もみたいにゾクゾクすることはなく、ただただ、胸が締め付けられた。
「きっと、大丈夫。今は、結生が、居てくれるから……きっと」
「…わかった。でも、扉は俺が開ける」
「うん…」
まだ、音がなり続ける扉。
ーーガチャリ
鍵を開けると音がピタリとやんだ。
その扉を開くと、目の前にいたのは…
「……まじかよ」
先輩と瓜二つな顔をした、男がそこでは微笑んでいた。
「やっと開いたな」
「新樹、さんですか」
「そうだけど、君は?」
「結生です。遥人先輩の…」
「俺の! 恋人…」
驚いて振り向くとそこには服を乱した先輩。
「今から、抱いてもらうところだったのに、アンタが来たから……台無しだ」
「ふーん。だから、こんなに出るのが遅かったわけ?」
「うん」
「あっそう」
そう言って俺をマジマジと見てくる新樹。
「ずいぶん、可愛い顔だな」
「……すみませんね」
「でも、かっこいいし、頼りがいがある。誰よりも」
「……ふーん。まあ、いいや。今日は帰る。邪魔して悪かったな」
「……」
「じゃあな、淫乱ちゃん」
何しに来たんだあいつ。
そう思いながら、扉を閉めると、先輩が俺に抱きついてきた。
俺より体格のいい人にいきなり抱きつかれたものだから、支えきれなくてドアにぶつかってしまう。
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