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覚悟(*)
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どろどろになってすうすう寝息(?)をたててる遥人の髪に指を通す。さらさら。
まつげも長くて、笑うとすこし下がる目。
紅い唇は綺麗な形で、笑うと三日月型になる。
指は細くて綺麗で、体は運動をあまりしないからかほかの人ほど筋肉は無いけどほどほどにはあって。
遥人の声は少し高くて、よく通る。喘いでると、かわいくなる。
生徒会長してる時は凛としてて立ち入るすきが無さそうだけど、生徒会メンバーといると、ニコニコ笑ってたりいじられたりしててかわいい。
俺や由真、悠也さんしかいないときは少し弱みとか、ぼんやりしてるところとか見せてくれたりして、
俺と2人きりだと、抱きついてきたりして甘えてくる。
はたからみるとただの真面目な高校男子だけど、やっぱり妙なのは、
「その表情と、彩さんへの態度と、その体質だよねぇ」
最近は気を許してくれてきたのか素の表情だと思われるものも見せてくれるけど、やっぱり不自然な作り物も多い。
無理やり、表情を作る……
どうしたらそこまでしなくてはいけない。
遥人に何があった。
彩さんに、聞いたら分かるか?
…いや、あの人は何も知らなんだろう。
遥人はビクビクしてるのに彩さんは歩み寄ろうとすらしているんだ。遥人も彩さんと仲良くはしたいんだろうけど、無理してるのがよく分かる。
「わかんねぇな…」
三波新樹。
あいつが鍵を握ってるのは確かだろう。
遥人の怖がりようからひどい人かと思っていたが、その割には遥人に傷があるわけでも無ければ、こんなに敏感でエッチ好きなくせに潮吹きを知らなかった。
それに、あのとき遥人に向けていた笑顔は本物な気がした。
「あーもう、いいや。待とう」
こーいう頭グルグルしてるときは単純な由真と話すのがいい。
俺は、スマホをとった。
『もしもし?』
「あ、由真? 」
『そうだけど、どうした? 遥人は?』
「下にいるけど。今、ちょっと気を失ってるから」
『は? おい、どういう状況なんだ?』
「…んーと、やり過ぎた、みたいな……」
『何したか聞いてもいいか?』
「いや、言いたくない。もう、自分が、嫌になる!」
思い出しただけで嫌になってくる。
でも、遥人超可愛かった。
『俺に何のよう?』
「いや、暇だから」
『……あっそ』
「…遥人、超かわいいよ」
『遥人…ねぇ。それは俺に対する嫌味かなんか?』
「そうだけど」
由真が遥人に依存してるのは知ってるから。
昔はともかく今は悠也さんという存在がいるから恋愛的には依存してないのだろうけど、現在の榊由真があるのは三波遥人のおかげだろう。
多分遥人が側から消えた瞬間、榊由真は“壊れる”。
きっと人格が保てなくなる。それほど、依存してる。
多分悠也さんでは“壊れ”はしないと思う。
由真の中の遥人は
初めての友達。
初恋の相手。
初めてキスをした相手。
唯一心から信頼できる人。
弟の恋人。
他にも色々あるだろう。
なんせ、本来は名門私立を受ける予定だったのに、遥人と同じ学校に通いたくて公立の進学校を受けるほどだ。(人のこと言えない)
由真は、本来は、弱い人だからしょうがない。
でも、不安になる。
やっぱり、腐っても、大好きなお兄ちゃんだし。
「ん……」
「……あ、起きた…」
俺はスマホをおくと遥人に向き合った。
俺は、自分のためにも、遥人のためにも、由真のためにも、そして悠也さんのためにも遥人を守らなくてはならない。
死んでも手放してはいけない。
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