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事情聴取
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取り敢えず5限は授業が始まる前に戻ってこれたのでよかった。
もう、結生くんのSスイッチはいってたら帰ってこれなかっただろう。
授業を受けている間、クラスメートがチラチラ見てきていることは気づいていたが…
「なぁ、榊の弟とデキてるってまじ!?」
「キスしたって!?」
「俺てっきり榊…あー、由真と付き合ってるのかと思ってた!」
「いや、あいつは悠也とだろ」
「そういえばそうだったな」
授業がすべて終わると怒涛の勢いで友達が詰め寄ってきた。…休み時間は誰も来ないから油断してたぁ!!逃げるべきだった!
「…由真の弟と、付き合ってるのは本当。キスも、された」
「え、どっちが…いわゆる攻め、なわけ? やっぱりお前?」
「……いや、結生くんが…」
「マジか。どうりで今日色気が凄いわけだ」
「…そんな分かるほど?」
「うん。もう凄いぜ? 俺らも興奮するレベル」
「マジか…」
その状態で集会なんてしちゃったから結生くんはあんなことしたのか。
「いやぁ、あのかわいい子が生徒会長様をねぇ」
「あの、さ…ひいたりしないのか? 男同士で」
「今更だろ。クラスで榊と悠也がいちゃついてたりする訳だし。榊、悠也、お前と、最近は結生?もさ距離近いし」
「そうだけど…」
「こちらとしてはイケメンたちがイケメン同士でくっついてくれれば倍率も下がるしなぁ」
「そうそう。黙られててとかの方がムカつくな。もっとオープリングでいいぜ? まあ、女子はショックだったかもだけど」
「そっか。でも俺なら誰も傷つかないと思うよ?」
「遥人は無自覚すぎだ。お前どんだけ人気あるか分かってなさすぎ」
「そーですよ」
耳元で囁かれたその低い声にぞくりとする。
「おお、榊の弟くん。ハジメマシテ」
「初めまして。榊結生です」
「改めて間近で見ると可愛い顔だな。榊とは真逆」
「よく言われます。でも僕こんなのでも武術の心得ありますし、独占欲、すごい強いから気をつけてくださいね」
…どストレートに牽制したな。
「大丈夫。俺らは遥人は普通にダチだと思ってるし」
「なら良かったです」
「そういえば、先輩」
「ん?」
「由真見なかった?」
「いや?」
「そう。帰ったのかな…」
「どうかした?」
「先生が探してたんですけどどこにも居なくて。…悠也さんもいないですね」
「どうせ悠也が誰かしらにゆーかいされたんだろ」
「誘拐、が軽いですよ」
「だってよくあるし」
「……」
その頃クラスメートの大半が、
結生が俺に後ろから抱きつきながら話すのを見て、いちゃついてんじゃねーよって思ってたことは後日知った。
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