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弱る心 冬馬side
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俺は、開けた缶コーヒーを飲むこともなく、机の上に置き強く握りしめた。
紅那のことを思うと、幸せだったはずの心の中が、今度はは何故か苦しくなった。
でも浮気かも…なんて、ただの可能性で絶対じゃない。
分かってる。
分かってるのに…その可能性を考えるだけでモヤモヤして、苦しくて…泣きたくなった。
「…浮気、だったら俺…どうしたらいいんだろうな。」
そう口にした自分の声は、思っていたよりずっと弱々しかった。
すると、そんな俺を見かねるように夏樹はため息を吐く。
「別れたほうがいいんじゃねぇの?」
「…。」
「お前さー……、いや、もういいや。仕事始まるしお前もさっさと支度して店来いよ。」
夏樹は返事もしなくなった俺にそう言い残すと店に消え行った。
浮気、別れたほうがいい…
その言葉は俺の心に深く突き刺さった。
紅那を信用してないわけじゃないのに
紅那が嘘つきだなんて思ってもないのに
自分に自信がないから夏樹の言葉が正しいんじゃないかって気になってしまう。
ダメだ…
こんな暗いこと考えてもいいことなんかない。
今から仕事して、終わったら家でゆっくり寝て、前向きに考えよう。
そして俺は、店に出る支度を済ませると、不安に押しつぶされそうな気持を心の奥へと隠しいつものように店に出た。
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