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花火の音が耳に残って、残像が頭に浮かぶ。
送ってくださいと言った気がするのに、連れてこられたのは長谷川のマンションだった。
「どうぞ」
「ありがとうございます…」
温かい緑茶で喉を潤すと、波立った気持ちが少しだけ落ち着く。今日は色んなことがあった…。いつもと変わらない長谷川の存在が、とてもありがたい。
「今日は、助かりました。
長谷川先生がいてくれなかったら…」
どうなっていたか、考えるのも無理な話だ。
「気にしなくていいですよ。
俺だって、下心があってのことですから」
「………」
「今からは、他の男の名前は出さないでもらえますか?
興が醒めてしまう」
「長谷川先生でも、そんなこと言うんですね」
「俺にもプライドがあるんです、少しは」
「ふふ」
長谷川なりに和ませてくれようとしたのだと気づき、秋月は笑みを零した。
「二度と恋なんてできないかもしれないと…僕は、思っていたんです。沢山、失敗をしました。辛いこと、嫌なこと、悲しいこと…思い出すのは、そんなことばかりで」
「秋月先生…。触れても、いいですか?」
返事の代わりに腕をまわして、唇を重ねる。そうすれば、何も考えなくていい。身を委ねていれば…、束の間でも悩みは忘れていられる気がするのだ。
***
騎乗位で腰を揺する秋月は、普段と比べると想像もできない艶っぽさだった。あの時身体を繋げてから毎夜、この時を夢に見てしまう。長谷川はそんなことを考えながら、秋月と舌を絡める。
「ぁ…んん…んぅ……」
秋月も自分で、イイところはちゃんとわかっているらしい。いやらしい腰つき、身悶えする淫靡な身体。グチュッグチュッと二人を繋げる音が、生々しく耳に残る。
花火の最中、二人がどんな時間を過ごしたかなんて関係ない。興味もない。この身体を貫いているのは自分のペニスで、秋月は気持ちよさそうによがっているのだから。
「気持ちいいですか?俺のペニスは」
「…いい、です……ぁは…最高…っ…アッ、ア、ぅう…!」
「学校であなたを避けたのは…そのいやらしい喘ぎ声と身体が、忘れられなくて対処に困っていたからですよ。学校のトイレで、あなたを犯すわけにもいかないでしょう?」
「あぁぁん!先生…長谷川先生っ……」
淫夢と少しも変わらない秋月の痴態が、現実のものとしてあるのだ。自分の名前を呼んで、腰を振って…たまらない。夢中になってしまいそうになる。
「あっ、僕…出ちゃう…ア、アン!…ぁあ…出るぅ…」
「くっ…」
精液と汗で、お互いの身体はベトベトになっている。
痙攣する秋月の中で堪えきれず、長谷川も吐精してしまった。自分の中で脈打つペニスから放たれたものが、より秋月の快楽を引きずり出す。一度達した後なので、感度が敏感になっているのだ。
「…ぁ…駄目っ……あぁぁ…」
「ズボズボって、すごい音…。
先生の中は熱くて、とろけてしまいそうですよ」
「いやぁ、アアッ…!動いちゃ…ああん…アッ……」
秋月が後ろに手をついて、淫らに腰をくねらせる。泣きながら喘ぐ唇、尖りきった乳首。再び硬くなってくるペニスは、最高の眺めだった。
「……あ、ひあっ…アン…やだぁ……またイクッ…先生のおちんちん、気持ちいいの…!」
肉欲の本能だけに身を任せ、秋月は腰を擦りつける。
(後藤くんに抱かれたい…)
他の男に抱かれる度に、その欲求は強さを増していく。これが後藤だったら、どんな風に自分は感じるのだろう。
(ハメて欲しい。後藤くんがいい)
「俺に…しておけばいいのに。あなたが心を煩わせることが、なくなればいい。一人で堪えようとしないで…俺をもっと頼って。甘えてください」
「せんせっ…。セックスの時に口説かれても、僕…チンポの味しか憶えてられないです」
最悪なセリフを可愛らしく言い放つ秋月に、他の男が入る隙間などどこにもない。
自嘲するように秋月は笑って、繋がる部分をなぞるように撫でて挑発した。
「だったら、しっかり味わってください」
「ふぁ…!あん、アァンッ!」
「あなたをオカズにする生徒のこと、知ってます?フミちゃんはエロい、何でも受け入れてくれそうって。あなたが淫乱教師なの、男の本能で嗅ぎつけてましたよ」
「いや、やだ…っ!変なこと、言わないでください。そんな意地悪、だ、めぇ…やですっ」
「あなたのここは、男の欲望を丸呑みにしてしまう…。かわいい喘ぎ声を出しながら、恥じらいながら、それでも生徒に犯されて、気持ち良くて、我慢できずに泣いてイッちゃうんだそうです。休み時間の最低な妄想ですよ」
「…ぅ…グスッ……ぁ…ダメ、ダメッ!」
「そんな生徒の妄想も、セックスのプレイには役立つようですね。そんなに感じて…。可愛いですよ、秋月先生。恥ずかしいの好きですもんね?言葉責めされるのも…。ね?ヘンタイで淫乱教師の秋月先生」
「あ、あ、っあ…!違う…僕っ…ちがうの…」
「俺が、いっぱい種付けしてあげます。
これからも、二人でいっぱいセックスして愛し合いましょうね」
長谷川をかりたてるのは、嫉妬と独占欲だ。よがりながらきっと、後藤のことを想ってしまう秋月が、たまらなかった。この時間ですら、自分のものにできないなんて。
秋月の身体を抱き寄せて、離れられないよう背中に腕をまわす。舌を絡め合いながら深く腰を奥まで抉らせると、秋月は何度目かの絶頂を迎えた。
「っ…!!はぁ……あぅ…!あ…アァ……ぁんっ」
「…ふっ…く……!」
「あ、来るっ…ビクビクしてるのっ…はぁんっ、やっ、あぁ…!!せんせえ、長谷川先生っ…!」
ゆっくりと薄れていく意識の中で、優しく涙を拭われたような気がする。考えることを放棄して、秋月は微睡みの中に沈んでいった。
花火の下で、堪えるようにきつく噛んだ唇。
(後藤くん…)
一緒に花火を見たのが、いっそ夢だったらいいのに。そうすれば、彼を傷つけなかった。素直になれない臆病さに、苛立たせることもなかった。
「好き…」
切なく囁く言葉が本当は、秋月のすべてなのだと長谷川は感じる。どれだけ自分を卑下しても、隠しきれない本来の姿。淫らに見せられようが、その本質は綺麗なのだと…涙をとらえた指先は知っていた。
「好き……すき…」
想いを確かめるように繰り返される告白は、やがて嗚咽で聞こえなくなった。
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