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彼らの至福のとき 06歩
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色葉くんも女の子になると、いおくんは「可愛い!幸せだ!!」なんて言いながら僕と色葉くんを抱きしめてきた。
「椿さんも梓ちゃんもありがとうございます!俺は幸せです!」
「俺、お前に抱きしめられる趣味ないんだけど」
「いおくん、苦しいよ」
「もう少し俺を幸せにさせて!」
いおくんは本当に幸せそうに僕たちを抱きしめている。
そんなに僕らに女装をして欲しかったのかな。
よく分からないいおくんに疑問を抱きながらも、いおくんの満足するまで抱きしめられていた。
暫くしてからいおくんと写真を何枚か撮ることになった。
同人に使うことが目的の女装だから仕方がないのだけど、色々と撮らされるらしい。
「全身を隈なく撮らせてね!あと、何があります?」
「写真ではないけど、女装を見た彼氏がどんな反応するかも大切じゃなかー?(大切じゃない?)」
「確かに!女になる過程も見たし、そこ大切ですよね!」
何やら女の子になる過程も見られていたらしい。
全然気づかなかったなぁ。
というか、そこまで見ているなんて中々意識がたかいよね。チラッと見えたスケッチブックには字がズラリと並んでいるみたいだったし。
原稿のために余すところなく観察していたんだ。
僕なら想像で原稿などを描いてしまいそうだな。
「じゃあ、色葉とゆーちゃん!彼氏呼んで!」
「色葉が言ってたけど柚月くんの彼氏って格好いいとやろ?楽しみか〜」
「私も楽しみです。久しぶりに光さんに会うし」
何故か僕と色葉くんを置いてけぼりにして話が進んでしまって、色葉くんが「勝手に話進めんな!」と止め始める。
それに対して椿さんが言い返している。二人とも今にも掴み掛かりそうな感じ。
兄弟喧嘩ってどこもこんな感じなのかなと思ったのと同時に、先ほどの梓ちゃんの悲しい表情がちらつく。
心配になって梓ちゃんの方を見てみると、悲しい表情はしていなくて、本当に楽しそうに笑っていて安心した。
ホッと胸を撫で下ろしていると色葉くんが「ゆーくん!」と腕を掴んできた。
「ゆーくんも何とか言ってよ!」
「んー…僕は侑李さんを呼んでも大丈夫だよ。元々いおくんに誕生日のシフトを代わってもらったから、今こんな格好をしてるんだし」
見た目は怖いけど優しいから安心してね、と椿さんと梓ちゃんに言うと、味方がいなくなった色葉くんは額に手を当てて溜息をついた。
申し訳ない。
「ゆーくんがそっちに行くなんて…」
「僕は呼ぶけど、色葉くんはどっちでもいいと思うよ?」
「俺も呼ぶよ…。何か俺が光さんをみんなに見せたくないみたいじゃん」
「やったー!じゃあ、二人とも今すぐ呼んで!二人の彼氏が来るまでは普通の写真を撮っとこ!」
…そういうことで、僕は侑李さんを、色葉くんは皆月さんをこの部屋に呼ぶことになった。
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