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優先される理由 02歩 side 侑李
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「いらっしゃいませー」
コンビニ店内に入り、つまみと酒を適当にカゴに入れて、レジへ持っていく。
レジを担当するのは、前、柚月と入っていた人だ。
「あの…七瀬と申します。この間はチョコレートありがとうございました」
七瀬くんがスキャン、袋詰めをしながら話しかけてくる。
お礼を言われるほどではないんだが、七瀬くんは律儀な子だと思った。
「楢崎です。どういたしまして。そういえば、今日は七瀬くん一人?」
もう一人の店員が見当たらない。
前来たときは、二人で出てきていたから、てっきり二人で入るものだと思っていた。
「いえ、ゆーくん…柚月くんとですよ。でも、事務所で眠っています」
「え?」
「最近ストレスで眠れていないみたいなんです。今日も目眩で辛そうだったので寝かせました。休憩もまだ取っていませんでしたし、ちょうどいいと思って」
ストレス?眩暈?
「何かあったのか?」
俺の質問に七瀬くんは、少しムスッとした顔で口を開いた。
「うちの店長変わったんですけど、ゆーくんが店長と揉めて、それがあって店長の夜勤に対する当たりが強くなったんです。それをゆーくんが自分のせいだと責めているんです。悪いのは店長なので、ゆーくんは悪くないのに」
七瀬くんは今にも舌打ちをしそうな顔だった。どうやらこの子は不愉快なときにすぐに顔に出るタイプらしい。
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