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ココアと店員さん 01歩
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しばらくしてお風呂から上がって、何故か僕のサイズにあった新しい下着と、何故か僕のサイズにあった服を借りて、リビングでのんびりしていた。
「ほら、ココア」
「ありがとうございます。いただきます」
ゴクン、と一口飲むと広がる優しい甘さ。
美味しい…。
やっぱりあのカフェで出てくるような味がする。
もうしかして、と隣に座った楢崎さんの横顔をじーっと見つめる。
楢崎さんが頭を傾げてくるけど関係ない。
髪色と長さがあの頃とは違う。だけど、そんなの当たり前だと思う。もう四年くらい経つんだ。
声は接客のときとプライベートでは変えることがあるから気付かなかった。
「あ、の…笑顔、見せてください」
ココアをテーブルに置き、楢崎さんの顔に近づく。
そして楢崎さんの頬に両手を添えて、正面からじっと見る。
その顔は最初戸惑っていたけど、スッと笑顔になった。
「どうだ?」
「あ…て、んいんさん…?」
僕の行きつけのカフェで、いつも僕に運んできてくれる店員さんだ。
鈍感だから気付かなかった。
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