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たったの一口 02歩
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天気も良く、過ごしやすい気温で、散歩もしやすい。
「きつくなったら、すぐに言うんだぞ」
「分かりました」
楢崎さん曰く、ここから三十分くらいのスーパーに行くらしい。
「へえ〜。ここに川なんてあったんですね」
「たまに白鷺とか鴨とかいる」
「可愛いですよね。このファミレスこんなところにあったんだ。テレビではよく見ていたんですけど、どこにあるのか知らなくて行ったことなかったんですよね〜」
道も覚えたし、今度来ようかな。
初めて歩く道は、色々な発見を出来るからわくわくする。
いい歳だけど、一人ではしゃぐ僕を、楢崎さんは注意もしないで、笑って見ていた。
スーパーに着いて、楢崎さんがカゴを持って僕は手ぶらで色々見ていた。
「何か食べたいものはあるか?」
「本当に食べられません…」
「ゼリーとかヨーグルトとかでもいいから」
何が何でも食べさせたいらしい楢崎さんはしつこい。
むーっと顔を顰めて楢崎さんを見ると、「ふはっ」と吹き出された。
「どうして笑うんですか」
「可愛いと思って」
「可愛くありません」
「可愛いから。ほら、ゼリーでもヨーグルトでもいいから、三つくらい持ってこい」
楢崎さんは何が何でも食べさせる気なんだ。
「…分かりました」
もう埒があかない。
まあ、食べられなかった分は、楢崎さんが食べるか。
そう思って、その売り場に向かった。
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