アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
呼び名と敬語 02歩 side 侑李
-
柚月を膝の上に乗せ、 お腹に手を回して、のんびりと浸かる。
「腰は痛くないか?」
「少し怠いだけで痛くありません」
何となくいつもの柚月と変わらないようだけど、以前より体を預けてくれるし、少し照れているのか顔が赤い。
「それなら良かった。…本当に可愛いな」
「いきなりどうしました?」
「んー?可愛いなと思っただけだよ」
「僕は、楢崎さんのこと、変な人だと思っていますよ」
変な人か。優しくされることに慣れていないからか、優しくする俺を、そう思うんだろう。
七瀬くんとかも優しいと思うんだけどな。
グイッと柚月を持ち上げ、向き合うように座らせた。
「別にいいよ。なあ、俺のこと名前で呼んでみて?」
「どうしてですか?」
「名前で呼ばれるのが好きだからだよ」
なんとなく強制しているようで「恋人だからいいだろ」とは言えなかった。
もともと、名前で呼ばれたいとは思っていたんだけど、なかなかタイミングが掴めなくて、今になった。
「ゆうり、さん」
さん付けをする柚月に「侑李」と言うと、柚月は目を逸らしながらぎこちなく言った。
「ゆ、うり」
「もう一回」
「…侑李さん」
「さん付けがいいの?」
「なんとなくですけど、さん付けしたいんです…」
「そうか。じゃあ、敬語だけは外して欲しいな」
そう言うと、「うん」と即答で返ってきた。
呼び捨ては嫌だけど、タメ口はいいのな。
俺のことを変な人、と呼ぶ柚月も、変だと思った。
あまり浸かっていても逆上せてしまうから、上がることにした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
79 / 172