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僕の誕生日 05歩
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掃除が終わり、何故かそのまま沸かされたお風呂に侑李さんと浸かっていた。
「侑李さん」
「ん?」
「そろそろ教えてよ」
僕のお腹に回された手を引き離し、ぎゅーっと力強く握って急かした。
力の弱い僕だから、痛みなんて与えることは出来ないけど。
侑李さんは「ふっ」と笑って空いている方の手で僕の頭を撫でた。
「お前の誕生日はいつだ?」
「へ?」
誕生日?
いきなりどうして誕生日の話?
「明日だろ?」
「そうだけど…。どうして?」
よく分からなくて首を傾げる。
「祝わせてくれないのか?」
「んー…祝ってもらうものなの?」
僕の問い掛けに一瞬驚いたような表情になる。
驚かれることなのかな?
毎年祝日だから学校に行かないし、そもそも友達も居なかった。それに恋人がいなかったから恋人との誕生日の過ごし方?は分からない。
家族からでさえも「おめでとう」と一言言われるだけだった。
祝ってもらうことなんてお話の中だけだと思っていた。
「そうなんだよ。だから、お前のシフト変えてもらった。休んだ分、給料減るけどごめんな」
「ふふ。給料はどうでもいいよ。でも、いおくんには悪いことしちゃったな。後で謝らないと」
僕がそう言うと侑李さんが「そのことなんだけどな」と苦笑いをした。
「七瀬くんが女装するっていう条件で合コン断ってもらったんだよな。なんか金崎くんの資料用?らしい」
一体何の資料なんだろうな、と考える侑李さん。
あー…同人のかな?
「多分同人誌に使うんだと思う。いおくん同人作家なんだって」
「へぇ…」
「申し訳ないから僕も手伝おうかな」
「柚月の女装か…」
僕の言葉に何やら考え始めた変な人。
毎回いおくんにお願いされても色葉くんは断ってたのに、僕のためになんて、ね…。
まあ、それに…。
「僕が女装したらそのまま侑李さんと手を繋いでデートできるよね」
「女装しなくても出来るけどな。お前がやりたいならやってくるといいよ」
「はーい」
こうして僕の疑問はなくなり、序でに僕の女装デートが決まったところでお風呂からあがった。
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