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僕の誕生日 11歩
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袋に入ったマグカップを大事に抱えて車に乗り込むと、侑李さんにいきなり頭を撫でられた。
「何か今日の柚月いつもより可愛いんだけど。誕生日だからか?」
真剣な顔で言われても困る…。
「侑李さんの目が腐ってるからじゃない?」
「腐ってるわけあるか。本当可愛い。今度大きなクマのぬいぐるみでも抱いてみるか?」
「え?何?クマのぬいぐるみとエッチしないといけないの?」
そんなぬいぐるみあるのか…。初めて知った。
へえ…、と感心していると「違う」と否定された。
「言い方が悪かったか。抱っこしてみるか?」
「え?何?そういう趣味?」
本当に変態な人だ…。
そう冷ややかな目で侑李さんを見ると「お前だからそうさせたいと思うだけ」と微妙な否定された。
「まあ、侑李さんになら何させられてもいいよ」
………好きなんだし。
そう思って言ったのに侑李さんの表情は曇ってしまって「まあ、帰るか」と車を発進させてしまった。
帰りに寄ったケーキ屋さんでも店員さんと話すとき以外、侑李さんの表情は曇っていて怖かった。
店員さん、少しおどおどしてた。
分かる。侑李さん大きいからそんな顔したら怖いよね。
お店を出るときに「ごめんなさい」という意味を込めて店員さんに頭を少し下げた。
大きいけど寂しそうな後ろ姿を見て考える。
僕の何が悪かったんだろう?
分からない。
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