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【番外編】ゆづくんといっしょ 06歩
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今ミニ侑李さんは皆月さんの膝に乗って絵本を読んでもらっている。
わざわざ市の図書館で借りてきてくれたらしい。
皆月さんの朗読はすごく聞き取りやすく、ミニ侑李さんも体を揺らし、ニコニコしながら満足気に聞いていた。
「あ〜!ひかさん、絶対いい父親になるよねー。ゆーくんもそう思わない?」
色葉くんは二人の写真を撮りながら嬉しそうに言う。
「優しいし、僕もそう思うよ」
「でも、俺といたら父親にはなれないんだよねー。それでもお互いに別れるつもりはないんだー。だからもうこんな姿はあまり見られないと思うから俺は写真撮って残したり、しっかり見て記憶に残したいんだよね」
父親になれない、という現実に対して色葉くんは悲しい表情ではなく、決心している表情をした。
「皆月さんのこと本当に好きなんだね」
「うん。好き」
堂々と言う色葉くんは格好良かった。
侑李さんは子供が欲しいとは思わないんだろうか。
欲しかったら僕なんかいずれ捨てられる。
僕も子供が産めないから。
こればかりは同性だからどうにもならない。
お昼になり、僕は昼食を作った。
その間もミニ侑李さんは色葉くんと皆月さんと遊んでいて、それがすごく楽しそうで嫌な気持ちになる。
それでもさっきの色葉くんの言葉が頭をよぎると「僕がお世話したいのに」とは言えない。
何となく簡単なうどんを作った。
ミニ侑李さんでも食べやすいように、小さく野菜を切って、うどんも短く切ってある。
「侑李さん、箸って使える?」
「んーわからない!」
「じゃあ、フォークで食べようね」
四人分用意して、みんなで食べる。
いつかの侑李さんが作ってくれたみたいに美味しく出来たと思う。
「ゆーくん美味しい!」
「名取くんありがとうね」
「いいえ」
二人の口にあってよかった。
ミニ侑李さんはニコニコしながら食べている。
「ゆづくん、すごくうどんおいしいね」
「ありがとう。侑李さんも綺麗に食べられて偉いね」
そう言って頭を撫でてあげると「もっとなでて?」とお願いしてきた。
可愛い。
それを見た色葉くんたちも「可愛い」と言って見ていた。
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