アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
僕の友達と宝物 04歩
-
講義が終わって暇だから、響と一緒に本屋さんに来た。
「柚月、この前誕生日だっただろ?だからプレゼント買うから何か選んできて」
「じゃあそうだなあ…このDVD全巻セットでいいや」
そう言って、適当に近くにあったDVD全巻セットを笑って指差す。
「3万とか持ってきてないわー!」
「クレカがありますよ、響さん」
「柚月が意地悪!」
「ふふ。プレゼントはいらないよ。祝ってくれたし」
距離は多少あるけど、こうやって冗談言えるくらいの仲。
そんな友達に「おめでとう」の一言を貰えたらそれだけで嬉しい。
「柚月ってそんな控えめな性格だったっけ?」
「僕、いつでも控えめだよ?」
「初めて知ったぞ」
顔を見合わせて2人で笑った。
最近少しずつだけど響と距離が近くなってきているのかもしれない。
それが嬉しいと感じる。
恋人の侑李さんといるとき、バイト仲間の2人といるとき、友達といるとき、それぞれの過ごす時間の居心地のよさが違う。
一概にどの時間がいいとは分からないけれど、どの時間も大切に出来たらいいと思えるようになった。
これは侑李さんのお陰かも。
今日、侑李さんが帰ってきたら教えてあげよう。
喜びそうだなあ。
想像できるもん。
それで思わずクスッと笑ってしまう。
「柚月いきなり幸せそうに笑ってどうした?」
「んー、ちょっとね!」
「教えろよー」
「なーいしょ!」
そう言う僕に響は少し不満そうだったけど、まだ言うには時間が必要だから待っていてほしい。
でもそれはもう少しの時間だけ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
144 / 172