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僕の友達と宝物 05歩
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暫く別々に行動して、その帰りのこと。
「柚月!これ、誕生日プレゼント」
「えっ?いいの?」
「うん。開けてみて」
そう言われて開けてみると、中にはブックカバーと栞が入っていた。
「柚月って本読むの好きだろ?だからそれが一番無難かなってさ!」
「ありがとう…っ!すごく嬉しいよ!宝物にする!」
少し泣きそうになりながらお礼を言ったら、響は「大袈裟だな」と笑ったけど構わない。
大学まで誕生日に祝ったりプレゼントをくれる仲のいい友だちなんて一人もいなかった僕。それに高校の時なんて友達すらいなかった。
バイト仲間の色葉くんたちを抜いて、初めて友達からもらった誕生日プレゼント。
大袈裟かもしれないけど、僕の宝物。
それから近くの居酒屋で飲んで、21時過ぎに出て、電車に乗った。
帰る頃には響は出来上がってて、僕が家まで送ることになったから一緒に響の家の最寄り駅で一緒に降りた。
僕の肩に腕を回しながら「彼女ずりぃ〜よ〜」なんて大声で言う響。
飲んでる時に「恋人がいる」とだけ教えたらこうなった。
彼女とは言っていないんだけどね。
それにどちらかというと僕の方が彼女だったり。
「近所迷惑になるから静かにしないと駄目だよ」
「俺、静かだも〜ん!あ〜マジ、柚月の彼女気になる〜!早くあーわーせーろー!」
「今度ね今度。響がお酒に強くなってから」
「そんなの一生こねーよぉ」
そう。響はお酒に弱い。いおくんと変わらないくらい弱い。それなのに飲むからタチが悪い。
なんか飲んでいたらそのうち強くなるって思って飲んでるみたい。
強くなった気は少しもしないけど。
「はいはい。ほら、もう直ぐ家に着くよ」
「あれ〜?も〜?」
「そうだよ。だからもう少し頑張って歩いて」
「は〜い」
響をいつも送り届けているけど、その度にどうしてこんなに出来上がるまで放っていたのだろうと後悔する。
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