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こんな僕でもいいですか 02歩
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一週間近く経った。
食欲のなさは相変わらずだけど、熱は下がり、全てではないけど身体中にある痣も徐々に消えている。
昨日…金曜日までは熱が下がらず、その間侑李さんに何度も病院を勧められ、その度に断るというのを繰り返した。
中々無駄な戦いだったと僕も侑李さんも思っていたけど、侑李さんが笑いながら言うものだから僕も毎回笑いながら乗ってあげていたんだ。
決して僕も楽しんでいたわけではな…くもない。
侑李さんと笑っていると、自然とその間は身体のきつさが半減していて楽だったし、嫌なことばかり考えなくて済むから救われていた。
ピピッと脇に挟んでいた体温計が鳴り、表示されている数字を確認して、それを侑李さんにも見せた。
「36.2度。もう熱は下がったよ。病院には行かない!」
「はは、食欲はないだろ?病院行くぞ」
「えっ、それはずるいよ!熱が下がったからいいじゃん!」
「あはは、そうだな」
そう言って侑李さんは僕に手を伸ばしかけ、すぐに引っ込めた。
「ごめんなさい…」
「んーん。今日はスープにしてみるか」
「はい…」
「気にするな。寝てる時に触ってるから大丈夫」
「それ、約束破ってるから」
「よく思い返してみろ?寝てる時も触るなとは言われていない」
「わー。おじさんが大人気ない」
キッチンに行った侑李さんに聞こえるように言うと「まだ20代だって」と笑いながら返された。
何でだろうね。五つ違うだけで侑李さんがおじさんに見えてしまう。
…いや、発言のせいか。見た目はパッと見強面の、ジッと見格好いいお兄さんだし。
侑李さんの自業自得じゃないか。
「ふふ」
可笑しくなって笑いが溢れる。
何かここ最近辛くてもこんな風に笑えていたせいか、なんとなく心の整理はついてきたと思う。
………熱も下がったことだし、打ち明けよう。
よいしょ、とベッドから降りてお風呂に向かった。
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