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彼らの至福のとき 01歩+お知らせ
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6月の半ば。ジメジメとしている空気に項垂れてしまいたくなる梅雨の季節になった。
だがしかし目の前の人物だけはキラキラと輝いていた。
「待ちに待った色葉とゆーちゃんの女装の日だよー!ひゅー!!」
その人物とは、いおくんである。
色葉くんの家に呼ばれて行くと嬉しそないおくんと、今にもため息をつきそうな色葉くんに出迎えられた。
そう。僕の誕生日にしていた“女装をする”という約束を果たすために呼ばれたのだ。
因みに後で色葉くんのお姉さんが態々来るらしい。女装のお手伝いをした後に観光して帰るみたい。
「とうとうこの日が来てしまった…」
「色葉が自ら言い出したんじゃん?」
顔が死んでいる色葉くんと、すごく笑顔のいおくんの表情の差にクスッと笑ってしまう。
侑李さんも今日のことは知っている。何ならここまで車で送ってくれた。終わったらそのまま外でデートすることになっている。
あの一件から過保護さが強くなり、あまり僕を外に出したがらなかった侑李さん。僕は僕で特に何も思わなかったから、お家デートを楽しんでいた。でもそのお陰で一度も外でデートをしていないから、久しぶりで楽しみだ。
「あ”ー…煩い。童貞」
「それ今関係ないから!」
「え…いおくん童貞だったの…?」
「……20過ぎて童貞はダサいって言いたいんでしょ!俺だって好きで童貞なんじゃないんだよ〜!!俺、泣くよ!…あれ?ゆーくんも童貞だよね?」
泣くよ、と言いながらころっと表情を疑問を持つようなものに変えてこちらを見てくる。
忙しい人だなあ。
まあ、そういうところ面白いと思うし、そんないおくんのことも好き。
「僕は違うよ」
「え…っ。ゆーちゃんは俺の仲間だと思ってたのに…!」
「ふふ。好きな人とシて童貞じゃなくなるのが幸せだと僕は考えているから、いおくんには大切にしてほしいな。それにいおくんは顔もいいし、性格もいい人だから焦らなくても大丈夫だよ」
そう言って微笑むと、いおくんは本当に泣いてしまった。しかもドバーッと。なんかアニメとか漫画であるような感じで。
僕も色葉くんも驚き過ぎて何も言えない。
いつも元気一杯ないおくんがこうなるのを初めて見た。
そんなに経験がないことに追い詰められていたのだろうか。
「俺、さ…合コン…行くのは、みんなと、話せて楽しいけど…っ、なんか、恋愛飛ばして、その先ばっかり、見てるから、全然…っ」
「だから合コン行かないか、食べて話すだけの飲み会って開き直って行けって俺はずっと言ってんじゃん」
誘ってくれるような友達も知り合いもいないから合コンに行ったことないけど、そんなにみんなガツガツしてるのか。
侑李さんは行ったことありそうだから、今度聞いてみようかな。僕は行く予定ないし。
「うん…。もう俺行かない…。ゆーちゃんの優しい言葉に慰められた…。ありがと、ゆーちゃん」
「う、うん。どういたしまして…?」
いおくんは涙を拭ってパッと笑うと「よし!」と声をあげた。
どうやら切り替えが出来たらしい。
切り替えが早いのはいいことだね。
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こんにちは(´ω`*)
表紙が2代目に変わりました〜!
㌧子つ様が描いて下さった侑李と柚月のキスシーンです♡
柚月の腰に手が回されているところや、柚月が侑李の首に手をやっているところなど色々とニヤけポイントが…!眼福です♡
ありがとうございます(๑>◡<๑)
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