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檻の中の白雪姫(トキ真)
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「…レンもいたんだ。」
「…イッキ。
あと、おチビちゃんも……」
「…おう。
……あれから、もう、3年か。」
「やっぱり…、
俺の…っ」
「イッキ、それは違うよ。」
東京にある大きな大学病院の一室に、彼は眠っていた。
白い肌に、黒く艶やかな長めの髪、長い睫の下の黶、朱く色づく唇。
体には一つも医療器具をつけておらず、ただ彼が眠っているだけであった。
「……いつ見ても、綺麗だな。」
「いーや。
憎たらしいよ、この寝顔。」
「ごめっ、俺、ちょっと出るね。」
「そこで泣いとけ。
誰も見てねぇよ。」
「…椅子、あるだろう。
俺たちも気にしないで泣きな。」
音也は、日向と月宮と共に一番最初にその小屋へ入った。
『、キヤ………』
親友が、親友に性的暴力をくえながら、親友の首を締めていた。
下で揺らされている親友に意識は無かった。
小屋へ入ってきた3人は、
ただ、
立ち尽くした。
『音也、何してるんです。
はやく、私を、
止めてください。』
最初に動いたのは日向だった。
トキヤと真斗を引き離し、真斗の息を確認した。
月宮は、山の梺に待機していた警察に連絡。
音也は、トキヤのところへ行こうとした…──────
「…そりゃ、ショック、だよな。」
「俺らには、計り知れないさ。」
「目の前で、なんて…」
「翔。ストップだ。」
「ごめ、」
「いいよ、翔。レン。」
トキヤは、音也の目の前で、自らの命を絶ったのだった。
「…聖川。
どこも異常ないのにね。
起きないんだ。」
「起きたく、ねぇんだろ…
分かる気ぃするぜ。」
「イッチーのお迎えを
…待ってるのかな。」
「白雪姫、みたいだね。
王子様のキスで、
目を覚ますんだ。」
「あぁ。」
その日の夜。
真斗は静かに息をひきとった。
『俺も好きだ、一ノ瀬。
一緒に逝こう。』
Fin
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