アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
可愛い訳じゃないけれど(那トキ)
-
「トキヤくんは、僕が嫌い?」
家に着くなり、彼が問いかけてくる。
「えっ…」
突然のことに、私は上手く言葉を返せなかった。
私なりに彼を愛しているはず…
それが彼には伝わってないのですか…?
「僕はね。
相当トキヤくんが好きなんだ。
だから、ちょっとのことで嫉妬しちゃう。
音也くんにも、
レンくんにも、
真斗くんにも。
みーんなに嫉妬しちゃうんです。
本当は、
トキヤくんは僕のです‼︎
って言って、連れ去りたい。
けど、僕…トキヤくんには
嫌われたくないんだ。
本当はね、
もっとトキヤくんに触れていたい。
でもっ、そんなことしたら、
トキヤくんに、嫌われちゃうから…」
「私は…
貴方のことを嫌ったことなど、
一度もありませんよ。」
私だって、
本当はずっと嫉妬していた。
本当はずっと触って欲しかった。
「大好きなんです、貴方のことが。
きっと貴方が想像しているよりも。」
「トキヤくんっ…」
思い切り抱きしめられる。
少し背中に痛みがはしる。
彼は泣いているようだった。
私は彼の背中に手を回す。
広くて、小さなこの背中…
ぐぅぅぅう
この場に似つかわしくない音。
出処は、私のお腹。
「わっ…ごめんなさっ」
「ふふっ。
お腹空きましたよね。
ご飯、すぐ作りますね。」
「あっ‼︎待って!
私がやります!」
「えー。大丈夫ですよ?」
「いえ、身の危け…
今日くらい、私に作らせてください。」
「じゃあ、一緒に作りましょう!」
「いいえ。
私が作ります。」
「うーん。
じゃ、次は僕に作らせてくださいね?」
「……はい。」
私は台所へと向かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
98 / 104