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可愛い訳じゃないけれど(那トキ)
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コトコトと音のする鍋。
それを眺めながら、私は物思いに耽っていた。
(いつの間にか私は四ノ宮さんを不安にさせていたのですね…
私に何かできることは…)
「…ャ……トキヤくん?」
「っ!?
し、四ノ宮さっ」
「お鍋、吹きこぼれてましたよ?
考え事?どうしたの?」
「あ、いえ、大丈夫です…
ご飯にしましょうか。」
「…お皿、とってきますね。」
少し寂しそうな顔をする四ノ宮さん。
こういう事が積み重なっていき、四ノ宮さんを不安にさせてしまうのでしょう。
「トキヤくんも食べ終わりました?」
「えっ…あ、はい。」
「トキヤくん、ずっと考え事してる。
何がトキヤくんをそんなに悩ませてるの?
それはさっき僕が言ったことのせい?」
「…いえ、違います……違うんです。
これは、私の……」
「…そっか、僕には言えないんですね。
洗い物、してきます。」
違う、待って。
喉にひっかかる言葉たち。
また、傷つけてしまった。
繊細な彼を…
繋ぎ止めなきゃ。
そうしなければ、彼は遠くへ行ってしまう気すらした。
ぎゅっ…
「トキヤ…くん?」
「洗い物は、あとで一緒にしましょう」
後ろから彼に抱きつき、小さく呟く。
「…それは、」
「私が、どれほど貴方のことを想っているか、教えてあげますっ…」
あぁ、私はなんて恥ずかしいことを言っているのだろう。
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