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笑ってほしくて(音翔)
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特に何も話すことなく、寮へ帰ることになった。
タクシーの中。
高速道路を走る他の車を目で追っていた。
俺は窓を見つめたまま、翔に問いかけた。
「あの、話…
続き聞いても…いい、かな?」
「んあぁ。
…先延ばしにしても
しょーがねぇよなっ。」
俺は翔の方を見た。
翔は窓を見ていて、窓には翔の横顔が映っていた。
その表情はどこか寂しそうで、俺の胸を締め付けた。
「2人っきりになったら、
話してやるよ。」
翔がこっちを向いた。
すごく綺麗な笑顔を見せてくれた。
タクシーを降りて、寮に着いた。
門から部屋までの道のり、息が白くなるそこで、翔は少しずつ話しだした。
「俺、ずっと心臓が悪くてよ。
普通に生活に支障はねぇし、
体育だってサッカーだって
できっけど、
やっぱ無理はできねぇつーか。
だから、なーんも考えねぇで
走り回れる奴らが羨ましかった。
音也のことも、ずっと、
羨ましかった。
教室から外にいる音也見て、
すっげぇ楽しそうなお前見て、
目が離せなかった。
いつからか、
お前を思うこの気持ちが
憧れって感情から、
変わったんだ………」
俺はたまらなくなった。
「翔っ!
俺、自惚れてもいい…?」
「えっ…?」
「翔、好きっ。
好きだよ。」
「は、何言っ…」
「付き合ってくださいっ」
「ばっ、バカお前…
俺が先言おうと思ってたのに…」
「へへへっ
俺だって先に言いたかったもーん」
「…ばか」
ほっぺを膨らます翔。
可愛くって、俺は後ろから翔を抱きしめた。
「好きだよ…
こんな言葉じゃ足りないくらい、
大大だぁーい好き…」
「っ…俺、も」
俺の腕に水滴が落ちる。
「翔、泣かないで?」
俺はそれを親指で拭った。
「嬉しいんだよぉ…」
「でも、俺、
翔の笑顔が好きなんだっ。
だから、ね?
笑って?」
「ん…」
翔は笑った。
Fin
本番なくてすいません…(ノД`)
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