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ふたりでひとり(HAYAトキ)
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数日後。
音也のあんな言葉を聞いてしまった私は、ハヤトのお見舞いに来ていた。
夜の10時を過ぎてしまい、面会時刻はとっくに過ぎていたけれど、なんとかいれてもらえることができた。
ガラ……
広い個室。
消灯時刻すら過ぎているこの時間に、彼は、月明かりに照らされながら窓を見つめていた。
「ハヤト」
彼がこっちを向く。
同じ顔が見つめ合った。
「トキヤ…
来てくれたんだにゃ。
嬉し…」
「…夜遅くにすいません。
お見舞いにきました。」
「お仕事、忙しいんだ…
わざわざありがとにゃ?」
「いえ。」
会話はあまりなかった。
だから、私は、つい聞いてしまった。
「あの時、あの夏の夜。
何故貴方は私を抱いたのですか?」
「好きだったからだにゃ。
ずっと、恋愛対象として。」
「っ…」
「ごめんにゃ…?
もぉ、遅いけど、ごめんにゃ。」
「…謝らないで下さい。
一応、同意ではありましたから。」
「トキヤは優しいにゃ~。」
「………私も、
どうやら、
貴方と同じ気持ちのようだ。」
私は、気づいた。
ハヤトとのあの行為に、嫌悪感はなかった。
ただ素直に、快感を感じていた、と。
「トキヤ…?」
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