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王子と伯爵(セシカミュ)
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ー作戦決行日ー
セシルside
えっと…今、10時…
よしっ!
時間通りです。
サオトメに呼び出されていると聞き、事務所の会議室に来ました。
集合時間もぴったりです。
ワタシは会議室のドアを開けた。
「あれ?カミュ?」
扉を開けるとそこには、カミュが。
そして…
「ごめんっ、セシル!」
オトヤの声がしたと思ったら…
ガチャン
「え…?
オトヤ?」
ドアノブをガチャガチャとまわす。
あか、ない…?
「どうした。」
「ど、ドアが開かないのですっ!」
「何故だ?」
「それは、ワタシも知りたいっ」
カミュがティーカップを置き、こちらに向かってくる。
カミュも、さっきのワタシと同じようにドアノブをガチャガチャとした。
「閉じ込められたのか…?」
「…たぶん」
カミュと目が合った。
どくんっ
ち、近い…
カミュの顔が近くにあって、ドキドキします…
「ドアが閉まるとき、
一十木の声がしたであろう。
お前絡みの面倒事だな。」
「ワタシ、何も覚えがありませんっ」
「はっ、知るか。
俺にはもっと覚えがないわ。」
あぁ、何故ワタシはこのような人でなしが好きなのでしょうか…
ジブンでジブンがわからない…
「どうした、愛島。
挙動不審だぞ。」
「わっ!?
あ、あまり近くに来ないでっ…」
「なぜだ…………
そんなに、俺が嫌いか。」
カミュが下を向いた。
「ちがいますっ!
そんなこと有り得ないっ」
言ってからはっとする。
い、い、今、ワタシ………
「どうだかな…
俺もお前に好かれているなど
思っとらん。
変な気を使うな、気持ち悪い。」
「…変な気なんて使ってないっ!
ワタシは、」
「黙れ。やかましい。」
ぴしゃり。
カミュが言い放つ。
……今の勢いなら伝えられたかもしれないのに。
カミュのせいです。
そのとき…
ピチピチっ
「え、なっ!?
さ、さ、魚っ!?」
ワタシの真横に魚が落ちてきた。
魚を避けたら、前にバランスを崩してしまい…
どんっ
「いっ……」
「か、カミュっ、ごめっ…ッッ!?」
カミュを押し倒すようなカタチになってしまった。
か、顔が…
顔が近すぎて、あとちょっとでキスができそうです。
…キレイな顔。
その青い瞳に吸い寄せられるよう。
ちゅ………
「んんっ!?」
下から声が…
「うわっ!?」
き、キスしてしまいました……っ
どうしよう…
こんなっ…
「…どういうつもりだ、愛島」
いつも以上に低い声にビクっとする。
「ごめんなさい…
アナタの瞳があまりにキレイで…」
「っ!!」
カミュの白い肌が、どんどん赤くなる。
「カミュ?
赤い…」
ワタシは思わずその頬に触れた。
「っ…ぁ、いじま…」
か、可愛い…!
こんな可愛いカミュは初めて見ましたっ…
「ぃ、いつまでっ…
そこにいる、つもり…なのだ……」
「あ、今退きます…」
ワタシは立ち上がろうとした。
けれど、カミュはワタシの腕を掴む。
「カミュ、退けな…」
「もう少し、」
「え…?」
「もう少しだけなら、
このままでも…いいぞ」
ワタシはその声を聞き逃さなかった。
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