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汗だくの制服
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全力疾走したおかげで入学式開始時間ギリギリで校門を通過。校門にはジャージの、見るからに体育科を担当してそうな男の先生が立っていた。
『遅刻ギリッギリだぞー、1年生かー?汗だくだな!大丈夫かー?教室までダッッッシュ!あ、君!何組?』
先生が俺に呼びかけた。俺は先生の前を走り抜けながら
『……おは、おはよう…ござ…ぃます……。うっ…はぁ……ゴホっ…!あ、び、B組…ですー!』
((全力疾走してきたのに、そんなすぐ喋れねぇよ…。あっつ……。))
中学ではバスケ部。
体は鍛えてあったとはいえ、さすがにキツかった。息を切らしながら答える俺に
『1-Bなら昇降口の左側の階段を上がってすぐだー、頑張れよー!』
と教えてくれた。
俺は、ありがとうございますー!っと走りながら礼を言って全力疾走再開。
学校の敷地内にある桜並木が満開ですごく綺麗だった。下駄箱で上履きに履き替え、8:35のチャイムと同時に教室の中へスライディング。
ザザザーーーーー!!!
野球の試合なら完璧に審判の《セーフ》が聞こえるであろうスピードで滑り込んだ。
『ゴホッ!お、おはようございますーーーー!
はぁーー、間に合ったー!セーッッフ!っしゃあ!!』
1人で盛り上がってる俺わ教室のみんなガン見。
((……あ、やべ。変なやつだと思われた……か?))
すると数秒後、
『入学初日から寝坊かー?しかも汗だくだなー、春なのにシャツ1枚で腕まくりかよー、大丈夫かー?w』
っと男子生徒の声。それを聞いて静かだった教室が笑いに包まれた。す、すみませんー。
俺はペコペコしながら自分の席に向かった。
((おっ、窓側の1番後ろの席じゃん!ラッキー♪))
すると隣の席の可愛い女の子が声をかけてくれた。ふわふわのショートカットの女の子。
『お、おはようっ!朝から大変だったね。お疲れ様ですっ』
((………………え、めっちゃ可愛い…。何この子………))
数秒間、呆然としてしまった。
『え、あっ、あの…大丈夫?なんかいきなりごめんね』
あたふたしだした彼女を見てようやく意識が戻った。焦って微笑みながら誤魔化す。
『えっ!あ、あぁ!ごめんね!疲れちやっててさ…、大丈夫!ありがとな。』
『ううん、いいのいいの!動き止まってたからびっくりしたよー、これからよろしくね』
さっきから何なのこの子!いい子すぎない?!なんか、ふわふわのオーラが見える。病気か?疲れてんのか…俺…。
先生。俺1年間席替え、いりません。
するとちょっとの違和感。
『あれ…?さっきの俺をフォローしてくれた男子生徒の声…。どこかで聞いた感じがしたんだけど……誰だったかな…』
可愛い女の子に話しかけられてテンションの上がっていた俺は嬉しくて、どこで聞いた声なのか考えられる状態ではなかった。
((あと5分で乾くか…?これ…。))
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