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ポスト前での再会
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母さんに言われた通り、ポストから父さんが朝ご飯の時に読む様の新聞を取り出す。
すると視界の隅に黒い人影が映った。
どうやら俺と同じ、または俺よりも少し高いくらいの身長の男性のようだ。
ジョギングをしていた。
早く父さんに新聞を届けようと玄関に入ろうとした時、後ろから聞き覚えのある声がした。
『海翔?おい、海翔っ!!』
『え?今、俺の名前……、』
俺は後ろを振り返った。
するとそこには、 やっぱり俺より身長が高い男が少しだけ息を切らせながら立っていた。
ん?誰だ?全く覚えがない顔。でも声はなんとなく覚えてる…気がする…。
『えーっと……ど、どちら様でしょうか…?』
思い出せないので申し訳なさそうに聞いてみた。その男はびっくりした顔で言った。
『覚えてないか?歩輝だよ、歩輝!加賀 歩輝!
ほらー、小さい頃近くに住んでたから毎日のように遊んだじゃないかよー』
嬉しそうに言ってきた加賀さん?の顔を見て必死に思い出す。
『加賀…加賀…。ん?歩輝?加賀歩輝?!?!』
『お、おう。そうだよ。俺、加賀歩輝。
歩くって漢字に輝くって書いて歩輝。』
自分の顔の前に人差し指をだし、空中に漢字を書く。そーそー。俺、歩輝。とニコニコ。
やっと思い出した。
こいつは俺の幼馴染みだ。
幼い時に幼稚園が一緒で友達になったんだ。それで家も近くてよくサッカーとか、鬼ごっことかして遊んだっけ。
『でもお前…、小学生の時お父さんの仕事の都合で遠くに引っ越すって言ってたよな?』
『実は仕事で上手くいったみたいでさ!
去年の秋にまた
こっちに戻って来たんだよ、で!
海翔と同じ〇〇高校!しかも一緒のクラスだよ!?知ってた?
ほら、入学式の時に海翔、教室にスライディングで入って来たろ?その時に面白いこと言ってフォローしたの、あれ俺な。
まったくー、感謝しろよー? 気づいてくれなくて結構ショックだったんだからなー。』
ヘラヘラと笑いながら入学式の日の事を楽しそうに話している。
やっと違和感の謎が解けた。
なぜあの時、俺はこの声に聞き覚えがあったのか。そうだ。俺は歩輝と会ったことがあったから。
『まじか!!歩輝ーー!久しぶり!!え、ちょ、え?!引っ越して帰って来たの?!歩輝と一緒に高校生活送れるなんて嬉しい!再会できて嬉しいよー!』
ついついテンションが上がって抱き着いてしまった…男同士でなにしてんだかw
『ちょ、お、おいw 抱き着くなってー、喜んでくれて俺も嬉しいよ海翔。
本当久しぶり。何年ぶりかな?
7年……くらいかな?お互いずいぶん大きくなったなー』
確かにそうだ。幼い頃は俺の方が断然大きくていつも泣き虫の歩輝をいじめっ子達から守っていたのに。
もう身長抜かされてるじゃんか。なんでこんな大切な友達の事今まで忘れてたんだろ。
歩輝、すっかり大人っぽくなってる…。背ぇ高い…短髪似合うな…笑った顔は全然変わってないや。
『朝から何してるの?ジョギング?』
『あぁ。そう。俺、小学生の頃から今までずっと陸上部
だったから高校でも陸上部に入ろうと思っててさ、走るの好きだしね』
そーいえば昔から、鬼ごっこはいつもあいつ誰にも捕まらないで最後まで逃げてたっけ。
『あ、もう行かなきゃ。また学校でな!』
『おお!また!』
そう言って歩輝は走って行った。
2日目の朝がやってきた。
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