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強がり
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時間は11:00。ちょうど3時間目の授業の途中だろう。たしか化学。先生、今日は実験するって言ってたな。
((…あれから歩輝と影宮くんはどうなったのかな?俺のせいで先生に怒られちゃったかな…大丈夫かな…))
2人のあの後の事を考えながら俺は教室へ足を進める。
……ガラッ……
静かにドアを開ける。その教室には誰1人いない。当たり前だ。今頃みんなは化学室で実験中だろうから。
俺は、まだ脇腹が痛かったし今は授業を受ける気分では
無かったので自分の席に座り、はぁ………。と机に顔を埋めた。
どのくらい経ったのだろう。廊下が騒がしくなっていた。時計を見ると11:50。授業が終わったのだ。
俺はそのまま席を動かなかった。いや、《動かなかった》と言うよりも身体へのダメージが案外大きく《動かせなかった》と言った方がいいだろう。
教室に1番に入ってきたのは歩輝。声でわかった。歩輝は席に座ってぐったりしている俺を見て声をかけた。
『…海翔? 身体、大丈夫か…?寝てんのかな、』
歩輝と顔を合わせるのは先程の事もあり、申し訳なかったこともあり、はっきり言って合わせずらかった。
しかし、わざわざ声をかけてくれた友人を無視するというのはさすがに、どうかと思ったので
『……あ…あぁ…歩輝、おはよう。大丈夫、起きてるよ』
今出来る精一杯の顔で、へにゃっと笑った。
『…お前、本当は身体痛いんだろ? 何でいつもお前は1人で強がるんだよ。』
歩輝は俺のことを凄く心配しているのだ。歩輝の顔が曇っていた。また歩輝に迷惑かけちゃったな、
『お、おう。心配かけてごめんな。
医務室の先生からお前が、ずっと側にいてくれた事、聞いたよ。ありがとな、悪いんけどお前の言う通り、結構脇腹痛いから今日は早めに帰らせてもらうわ。
先生に言っといてくれるか?
……あ、あのさ。影宮くんは?』
俺が1番心配している事を思い切って歩輝に尋ねる。
『クラスの人に聞いたんだけどな。
あいつ、俺が海翔を医務室に運んだ後、 どっか行っちまったらしい。
授業も受けてなかったし、まだ教室にも戻ってきてねぇんだよ』
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