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残された空席
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あれからもう1週間が経った。俺はバスケ部、歩輝は陸上部へ入部し高校生活を楽しんでいた。
影宮くんは、あの日からもうずっと学校へ来ていない。1つだけポツンと残っている机。
俺は歩輝に心配をかけない様、影宮くんの事は気にしていないフリをした。
…が、歩輝にはバレバレだった。
『なぁ海翔。影宮の事、心配なんだろ?バレバレ。
昔からお前、誤魔化したりするの下手くそなんだから。……あんな奴ほっとけよ。お前にあんな酷い事した様な奴が友達になる訳ないだろ。』
『…た、確かに俺、蹴られちゃったけどさ…クラスメイトとして何もしてやらないなんて俺は嫌なんだよ。
影宮くんとも友達になりたい。実はいい奴かもしれねぇじゃんか、全員揃って毎日を過ごしたい!』
俺の意見に困り顔の歩輝。数秒経った後に歩輝が深いため息を着いて言う。
『…………はぁー。俺、どーなっても知らねーぞ?でもお前が困った時は協力してやる。
でも勘違いするな、影宮の為じゃなく、お前の為だ。』
歩輝は、なにかしら文句は言うけどいつも俺の相談に乗ってくれたり協力してくれたりする。すごく心強い。
『ありがと歩輝!!!!俺、さわちゃんに理由話して、影宮くんの家の住所、教えてもらってくる!!!』
バンッと机を叩いて立ち上がり、走って廊下へ出た。海翔の勢いに一瞬固まるクラスメイト達。
『…………ったく………しゃーねーな…………。』
歩輝はくしゃくしゃと髪の毛をかいた。
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