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おじゃまします
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カチャ。
玄関のドアの鍵が開く音と、ともに久しぶりに見る影宮 くんの顔。
影宮くんは黒のパーカーにスウェット姿だった。
長身で、すらっとしている身体。
あの、パーカーの下はどうなっているのだろう…。
((筋肉とかしっかり付いてるんだろうなー。
細身だけどちゃんと身体は引き締まってそう。
羨ましいー、顔もかっこいいし高身長。
ルックスを見る限り女子にモテそうな感じ。
でもヤンキーだからなー、怖いし。ほんっと勿体ない))
なんて変な事を考えながら玄関へと入った。
『お、おじゃましまーす……。』
家に入ると最初に目に入ったのは玄関の棚の上に飾って
あった1つの写真立て。
新品のランドセルを嬉しそうに背負った元気な男の子と、その男の子を横で微笑む父親と母親。
綺麗で優しそうな女性とスーツがよく似合うすらっとした男性。
写真立ての下の方には
【蓮、小学校入学式。おめでとう】
とペンで書いてあった。
そうか、これは幼い頃の影宮くんか。
男が写真を見ていた事に気づいた影宮くんは、スッと写真立てに腕を伸ばし、パタン…と写真が見えないように倒してしまった。
『あのっ、なんかごめっ……』
『………………別に。…こっち来て。
こっちリビングで、そっちトイレ。
この廊下の突き当たりに風呂あるから入って来いよ。
ついでにその制服も洗濯機に入れとけ、洗っとく。
乾くまでは俺の家にいさせてやる』
人差し指で場所を指しながら部屋の場所を教えてくれた。
『えっ、いいよいいよ!色々、申し訳ないし』
俺が、頭と手を左右にぶんぶん振りながら答えると
『そんなびしょ濡れの格好で家入ったら濡れんだろうが。
濡らしたくねーんだよ、だからさっさと入れ』
…確かにこのままじゃ風邪ひくかもしれないしこんな格好でおじゃまするのもどうかと思い、
風呂を貸してもらう事にした。
『じゃ、じゃあお言葉に甘えて…』
荷物を玄関に置かせてもらい、そのまま奥の風呂場へと
向かった。
制服を脱ぎ、洗濯機の中へ。
風呂場は結構大きかった。大人が余裕で2人~3人ほど
寝そべる事が出来そうな感じの広さ。+大きな浴槽。
((家、初めて見た時思ったけど
結構綺麗だし広い家だよな))
シャワーを済ませ、お湯に浸かる。冷えきった身体に
温かいお湯が沁み渡る。
シャンプーを借りて髪を洗っているとドアの
向こうからノックの音と声。
『着替え、ここに置いておくから』
『あ、ありがとう!』
着替え貸してくれるのか、優しいな……。
あ、着るものないんだから貸してくれるか。
乾くまで裸でいろ、なんて言わないもんな。
俺は影宮くんが貸してくれたシャツとパーカーを来た。
予想はしていたけど………………デカい…。
ぶかぶかだった。
((こ、こんなにも違うもんか? これで高1…))
羨ましく思いつつ、リビングへ向かった。
入ると2つの毛玉が目に入った。
『あー、猫っっ!触っていい?!触っていい!?』
猫好きの俺に猫を触るな、と言うのはまさに拷問レベル。
猫を見つけて興奮している俺に少し引きながら
『お、おう………。でも触らせてくれるかわかんねぇぞ、
ソイツら初めての人だといつも警戒するから』
『初めまして、柳田です』
2匹の猫に微笑んでペコリとお辞儀する。
スッと猫達の前に手を置き、匂いを嗅がせて危険ではない事を調べてもらう。
スンスン匂いを嗅ぐ猫達。
((………めっちゃ可愛い。))
すると影宮くんが口を開いた
『あの………さ………、こないだはごめん……………』
どうやら俺に足蹴りを喰らわせたことを謝っているのだろう。
『えぇぇ!いいよいいよ、そんなこと!
気にしないで!大丈夫だから!!!』
少しだけ緊張が解れた気がした。
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