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37.7。
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次の日の朝、俺の身体はなんとなく火照っている感じがする。
あきらかに身体がダルい。
体温計で熱を計ってみるとピピピッという電子音と、ともに【37.7】という数字が表示された。
『あーー…風邪ひいたっぽいなコレ……。』
やはり昨日、傘をささずに影宮くんの家まで行ったのが
ダメだったのか…。
((学校休もうかな……、でも昨日影宮くんの家を出る前に
《明日学校来てくれ》って言っちゃったし…、もし影宮くんが来てないとしても俺が休むわけにはいかない…。
行かなきゃ……。))
俺はふらつきながらも制服に着替え、家族の前ではいつもの元気な自分を演じた。
そして時間になり、いつも通りに家を出る。
((熱の事は家族や歩輝、それに影宮くんに迷惑かけたくないから黙っていよう。
とにかく、学校に着いたら安静にしていよう。熱が上がったら絶対顔でバレる気がするから…))
おぼつかない足取りで学校へと向かう。
熱のせいでフラフラする、真っ直ぐ歩けない。
寒気がする。咳もでる。
これ、完全に昨日の雨だな…。今更後悔しても遅いが、
後悔はする。
教室に入ると歩輝は朝練を終えて戻ってきた所だった。
歩輝は要注意だな、俺が嘘ついててもわかるって
言ってたし。
大丈夫だ俺。いつも通りの元気な自分を演じるんだ。
朝のHRが始まる直前。
ガラッとドアがあき、影宮くんが入ってきた。
((…あっ、昨日の約束…守ってくれたんだ……))
『おぉ!影宮!!おはよう!よく来たな!
でも遅刻ギリギリだぞー? よし、席着けー』
さわちゃんが明るく接する。
『……うす、』
小さく影宮くんが呟き、席に座る。
影宮くんが席に座る時、チラッとこっちを見ていたので手をヒラヒラと振っておいた。
だが。
そんな俺を見るとすぐに目をそらしてしまった。
((…え、えーー…そこは普通、手とか振ったり微笑んだりするとこ……
ま、わかってたけどさ))
チャイムが鳴り、授業が始まる。
熱が上がってきたのだろうか、呼吸するのが少し苦しく、息が荒くなる。ここは1番後ろの席だから誰も気づかない、それが幸いだった。
3時間目まで頑張ったが流石にもう体力の限界が来ていた。授業が終わるとぐったりと机に突っ伏す。
机の表面がヒンヤリしていてとても気持ちいい……。
なぜか教室が少しザワザワしだした。
目をつぶっていると机をコンッと叩かれたのでゆっくりと目を開ける。
そこには影宮くんが立っていた。
【ね、ねぇ!柳田君とあの影宮くん、だっけ?
どーゆー関係?!】
【え、柳田、影宮くんに蹴り飛ばされてたって噂だよ?
どゆこと、】
【影宮の奴、柳田に何の用だ?またケンカ…?】
【これは…………ホモ展開に発展するのではっ……!】
などと男女の声が小さく聞こえる。
でもそんなの俺は気にしないから別に良いんだけど。
熱でキツかったがヘラっと影宮くんに話しかける。
『影宮くん…、学校……来てくれたんだぁ…、約束守ってくれてありがとう…』
影宮くんは何も言わない。
ただじっと俺を見つめている。
静まり返る教室。
『??…………か、影宮くん…?どうしたの…?』
首を傾げる俺に影宮くんが
『お前、熱あるだろ。』
そう言い放つ。
((……え、なんで分かったんだよ。まだ誰にもバレて
無かったのに。))
【え!柳田、熱あんのかよ!】
【大丈夫か、柳田!保健室行くか?!】
みんなが影宮くんと俺の会話を聞いて心配してくれている。
((まずい、 ご、誤魔化さないと………!))
『いやいや、熱なんてないよ?元気元気』
『……嘘つけ。』
すると影宮くんが、俺の後頭部をそっと押さえ、
俺の額に自分の額をくっつけた。
【ーーーーーーーーっ/////!?!!?!】
女子が言葉にならない声を出している。
これはあれか?カップルが憧れるって奴か?
デココツ?デココツっていったっけ?
((いや、………………近い近い近い!みんな見てるし!
何か恥ずかしいだろーが…!))
熱と羞恥心で顔を赤くして戸惑う俺に影宮くんは
『いつから熱あんだよ。昨日の夜か?
それとも今日の朝か?
朝、目が合った時から薄々気づいてた。
お前の顔、赤かったし。』
『き、今日の…朝…です……心配かけてごめんなさい』
恥ずかしさの為か無意識に敬語になってしまった……。
するとフワッと身体が浮いた。目の前には影宮くんの顔。
『えっ、ちょっ、なになになに?』
影宮くんは一言。
『帰んぞ。』
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