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寝起きの悪さ、
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俺はなかなか熱が下がらず2、3日は学校を休んだ。
だが、ゆっくり休めたので4日目には、もう風邪は治っていたようだった。
咳もでないし、熱もない。
明日から学校に行けそうだ。
これもわざわざ看病してくれた影宮くんのおかげかな。
でもまさか、あの、ヤンキーの影宮くんが看病してくれるとは思ってなかった…。
まずヤンキーが友達の看病する事自体がかなりレア
だと思う。
俺の勝手な意見だが。
ま、影宮くんの意外な1面を知る事が出来ただけでも、
よしとしよう。
『………影宮くんが帰る前の事件はよく覚えてるな…。
影宮くん…、あんな声出せるんだ…。
普段あんまり話さないから知らなかった、』
あんな声を出して、あんなに顔を赤らめて。
可愛いとこあるじゃん………。
何か俺の中で自分でも知らないスイッチが入ったような感じがした。
おそらく影宮くんのあの顔を知っているのは俺だけ。
あの反応を見たのも俺だけ。
そう思うと影宮くんのことをもっと知りたくなった。
『俺って変態なのかよ………………………』
次の日、下駄箱で靴を履き替えていた俺の後ろで声がした。
『か、海翔…?
風邪はもう大丈夫なのかよ』
振り向くと後ろには首にスポーツタオルを下げた歩輝が心配そうな視線を俺に向けながら立っていた。
『あ、歩輝!おはよう!
ごめんね、熱もないし大丈夫!ありがとな、
朝練終わったところ?』
『そっか……良かった…。
ううん、朝練の途中。もうすぐ陸上部の大会あるからこの頃大変なんだよー、それで先生g……』
話し終わる前に誰かの声で遮られた。
『おーーーい!加賀ーーーーー?
そんな所で何してるんだーー?
練習戻らないと先生に怒られるぞー!』
《全力疾走》と書いてあるTシャツと短パンの男子だ。
おそらく陸上部の先輩だろう。
((全力疾走…すげぇな…))
『あっ、やっべ。顧問の先生怖いんだよなぁ…
じゃ、また教室でな!』
そう言ってタオルで顔を拭きながら校庭へ走って
行ってしまった。
教室へ入ると先生やみんながいた。
『大丈夫だったか?』、『もう治ったの?』など
心配してくれた。
俺はそれに答え、窓際の席へ座る。
すると前の席で寝ている影宮くんが目に入った。
((あ…影宮くん、ちゃんと学校来てるんだ……。
良かった……))
椅子から立ち上がり、影宮くんの机へ向かう。
影宮くんは耳にイヤホンを付けて、寝ていた。
起こすのは申し訳ないと思ったが、なるべく早くこの前のお礼を言いたかったので、起こす事に。
『影宮くん。』
『…………』
『……影宮くーん、』
『…………』
『も、もしもーし…、起きてーーー、』
『…………』
『影宮くんってば!』
トントンと肩を叩きながら呼びかける。
するとピクッと動きもぞもぞとする影宮くん。
『んん………………ぁ? ………お前かよ………何、』
影宮くんがあくびをしながら耳からイヤホンを外す。
そして
迷惑だ、起こすな、騒ぐな、寝かせろ
と言っていそうな顔で睨まれる。
あ、影宮くんは寝起きの機嫌悪いタイプか。
『あ…あの、起こしてごめんな。
この前のお礼…言いたかったから……
ありがとな。』
『別に………。
………………………え、それだけ? じゃ、』
そう言って再びイヤホンを耳に付け、寝てしまった。
そっけない。
そっけなさすぎる……。
あの時は結構、話せたし距離縮まったかなーって思ったのに。
おそらくそう思ったのは俺だけなのだろう。
仕方なく俺は席に付いた。
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