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放課後の部室
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放課後、俺は男バスの部室へと足を運んだ。
バスケ部の部室は校舎の裏側。ちょうどテニスコートの前にある。教室の方からは真逆にあるため少し歩かなければならなかった。
いつも通りに扉をガチャリと捻る。
『おはようございまーす、……ってあれ?先輩達は?』
1年の5人しかいない部室。
皆、机の上に乗っていたり雑誌を読んでいたり壁に寄りかかって座っていたりヘッドホンで音楽を聴いていたりと、それぞれ自由に過ごしていた。
『2年生は帰りのHRの時間に何かのアンケートやるから遅れるゆうてて、3年生は先生と進路相談してるみたいやで。せやから今のとこ俺らだけやー』
駆が机の上に乗って足をブラブラさせながら俺に教えてくれた。それに続いて雑誌から目を離した柚樹が口を開く。
『なぁ、海翔ぉ。朝のHRで担任の先生に来月のテストの事聞いたー?
…俺、授業中の黒板ノートに写してるだけで全っ然理解出来てねぇの』
『俺も俺も!全然わからへん!あかん……。しかも授業の後半、眠気に耐えられんくて爆睡やからなぁ…。京佑と陸人はどーなん?』
駆の問に京佑がフッと笑う。
『俺はお前ら2人とはちゃう、ちゃんと授業受けとるしノートも取っとる。それに俺はテストで学年トップ3に入るくらいやし大丈夫や。赤点なんて取らしません、』
『俺は京佑ほどの実力はないけど勉強は好きな方だし、大丈夫かな。赤点も取ったことないし…、』
後に続いて俺達に申し訳なさそうに陸人が言うと俺と駆と柚樹は顔を見合わせ、同時にため息をつく。
『何でや!何なん、この差はっ!歳は同じやのに頭の造りが明らかちゃうやん!……くっ…俺の何が間違っとったんや……』
『まず授業中寝てはるからやないの…、考えんでもそれくらいわかるやろ…?やっぱアホやん』
『あほちゃうわ!あほ!!!!!』
『ちゃんとノートとってるのに何で………?』
『ノートとってても、その内容が理解出来てなかったらダメでしょ、』
自分達が悪い事に気づいていない2人に京佑と陸人が素早くつっこむ。
自分のどこがダメなのかを理解していない時点でもう手遅れな気がするが……。ここは黙っておこう。
途方に暮れていると突然、あ。と柚樹が口を開く。
『あ、そーだ…。勉強会すればいいと思わない……?』
『勉強会?!?!』
思った通り、駆が話に食いついた。
『どーする?京佑。俺は別に構わないけど勉強会。…する?』
陸人が京佑の顔を横からひょこっと覗き込みながら話しかける。
『せやなぁ……。どないしよ、狭い部屋に男だけで勉強会………。悲しくなるわぁ…。』
『はいはい!提案ッス!!勉強会、男だけじゃ華がないと思うから俺、女の子誘ってみる!』
そう言うと柚樹はくるっと後ろを向き、携帯を開くと手当たり次第に女の子の連絡先へと電話をかけていた。
数分後……。
『も゛ーーーー!!女の子皆バイトとか彼氏とデートとか何かしら予定入ってるって!!希望を失った…!』
柚樹が床を叩きながら呟いてる。そして、それを陸人が大丈夫大丈夫、と慰める。
((………ほんと、お父さんだわ………陸人…))
『もー、ほんまにしゃあないなあ……………やったる………。勉強会やったるわ………
ちょうど来週は3連休なのどすからどうせなら泊まりでやらへん?』
『おおっ…!お泊まり勉強会!!!!!ほんなら来週の土曜日に!』
駆の言葉を俺が遮る。
『……あ、相談なんだけど……ちょっといい?』
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