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応急処置
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いきなりで驚いてたけど無事理解してくれたし影宮くん家に入れてもらえた、良かった……。
『おっじゃましまぁーす』
声を揃えて5人が家に入る。
『っはーーーー!ごっつ広いやん!!何この玄関!確かに家の前来た時からでっかい家やて思っとったけど!!』
駆が言うと隣にいる影宮くんが耳打ちしてきた。
『声でけぇな、あのチビ…。か、関西弁…?関西人か?』
『そうそう、大阪から引越して来たの!いつもあのテンションだから温かい目で見守ってやって…』
『………ふーん、』
影宮くんは少し駆に興味がある様です…(笑
階段を登り、影宮くんの部屋へ。
部屋に入ると黒いソファーの上に雪とミケが丸まっていた。
『お、猫おるんかー。かいらしいなぁ』
京佑がそう言いながら雪とミケを見つめていた。
『その猫、雪とミケって名前なんだよ。可愛いだろ!』
俺が可愛さを共用するために名前を自慢げに伝えながらテーブルの周りに座ると、みんなもその場に座った。
その後みんなで軽く自己紹介をすると、その時影宮くんが席を立った。
『俺、飲み物持ってくるわ』
それを聞いて
『すまへんなぁ、おおきに』
部屋を出て行こうとするので俺も手伝うよ、と俺も立ち上がった。
1階に降り、台所へ。
『何すればいい?』
『あ、じゃあそこの戸棚に入ってるコップを6人分出してくれるか?ちょっと位置高いから気ぃ付けてな。椅子とか使っていいから。
俺は飲み物とかお菓子とか準備するから。』
『ん、りょーかい』
戸棚を見ると、確かに位置が高めだったが、届かない事はない。わざわざ椅子を使わなくても背伸びをすれば届く高さ。
戸棚に手を伸ばして戸を開き入っているコップを6人分取ったのだが一変に重ねて持った為、コップがグラグラと揺れる。止めようと手をコップへ運ぶが……遅かった。
『あっ……………!』
目の前でコップの塔が崩れ落ちた。
ガシャン!と音がして床に目を向けるとコップが1つ割れていた。6人分のコップが落ちたのに割れたのが1つだけというのは不幸中の幸いだろうか。
その音を聞いたのか、影宮くんが焦って台所へ来た。
『どうした?!大丈夫か?』
『あ、うん。俺は大丈夫なんだけどコップ1つ割っちゃった、今片付けるから。ごめんな』
そう言ってしゃがみこんで破片を拾おうとコップの破片に手を伸ばす。
『あ、待……』
影宮くんが声を出して何か言おうとした時、右手の人差し指に痛みが走った。
『いっ………つ……!』
思わず顔を顰める。人差し指を見ると指先を破片で切ってしまったのだろう。血が出ている。
『やめろって言おうとしたのに、大丈夫かよ。手ぇ見せてみろ』
影宮くんが、ほら。と右手を俺の方に差し出す。
『大丈夫、大丈夫これくらい!』
『だめだ。いいから見せろ』
渋々、右手を差し出し傷を見せる。
『あー…、結構傷深いな……。』
『これくらい、舐めとけば治るから大丈夫だって!まじで!』
俺は影宮くんの手を振り払い、左右にぶんぶんと首を振る。
『ばい菌入ったらどーすんだ。いいから。』
『………………えっ、ちょっ…?!』
俺は自分の目を疑った。
影宮くんは俺の隣にしゃがみこむと手首を掴み、自分の方へ引っ張ると指先を口に入れたのだ。
『えっ、えっ、影宮くんっ?!何してんの?!』
『…ほおきゅうほち。だあってろ…(応急処置。黙ってろ)』
そう言うと影宮くんは指先を舐める。
俺の手首を両手で掴む仕草と目を閉じながら指先を舐める音が妙にいやらしく感じる。
指の腹を舌で包み込んで、ゆっくりと出したり舌の先端でチロチロ舐めたり深く含んだりを繰り返す。
……ちゅっ……。ちゅぱ…、くちゅくちゅ…。ちゅ。
『んっ………。
か、影宮くっ……、もう…。もういいからっ…』
俺は、そんな影宮くんの姿を見るのに耐えられなくなり、影宮くんを押し返す。
『ん、もういいのか?大丈夫か?今、救急箱持ってくるから待ってろ』
『う、うん……』
影宮くんは、そう言うと部屋から出ていった。
((はぁーーーーー……………。今の何だったんだよ。あれが、影宮くんなりの、ただの応急処置かよ………。
影宮くんって案外天然………?!あれ、素でやってんだからヤバイよな…あんなんされたら精神保ってられる訳ないじゃん!
…………つかエロかった……))
そんな事を思っていると下半身に熱を感じた。
((あっ…………やべ…。
っ何、男に興奮してんだよ俺っ……!どーしよ…1回抜いてこようかな……。
で、でも影宮くんがもうすぐ救急箱持って来てくれるからなぁ……バレないようにバレないように………))
すると影宮くんが救急箱を持って戻って来た。
『そこのソファー座って。消毒する。』
影宮くんがソファーを指さす。俺は言われるがままソファーへ座ると隣に影宮くんも座った。
((バレませんように…バレませんようにっ…………))
心の中で強く念じる。
『ごめんな、痛かったよな。手ぇ出してくれるか?』
手をそっと差し出すと影宮くんは消毒液をシュッとかけ、ガーゼで少しキツめに縛った。
『?絆創膏とかじゃないの?』
『こういう場合、まずは止血が優先されるんだ。最初に絆創膏貼っても血液が止まってない状態だと効果ないからまずはタオルかガーゼとかで止血するんだよ。
傷が浅い場合は、すぐ絆創膏貼っても大丈夫だけど柳田のは深いから。』
『へぇ…そーなんだ…ずいぶん詳しいんだね』
『……………………昔、母さんによく傷つけられてたから覚えちまったのかな』
『あっ………ごめっ…俺、そんなつもりで言ったわけじゃ…!…』
((何言ってんだ俺は!昔の記憶思い出させてっ…))
『いや、大丈夫。昔の話だからな。おし、出来た。血が止まったら言ってな。絆創膏、貼るから。』
俺の指先に真っ白いガーゼが巻かれていた。影宮くんは器用なのだろうか。まるで病院の先生がやってくれた様な出来だった。
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