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朝が苦手なんです。
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影宮視点
朝6:00。
いつも通り、携帯のアラーム音で目を覚ました。
『んんーーー……』
なんとなく身体が重い…ダルい…それに腕も少し痛い気がする。
上半身だけ起こすと昨日とは違う変化を見つけた。
俺のシャツは昨日の夜に着て寝た黒いシャツではなく、青色のシャツに変わっていたのだ。確かにこのシャツは着替え用として持ってきた物だ。だが着替えた覚えがない…。それに、ちゃんとバッグに入れてあったはず。
((昨日、俺着替えたっけ?……))
やはり寝起きは苦手だ。しばらくボーっとしていないと脳が正確に働かない。
俺はしばらく布団の中でじっとしていた。
((あッ………。)))
思い出した。
昨日の夜柳田のオナってる所見ちまって…それで廊下で…。
顔が熱くなっていくのが自分でわかった。
自分で着替えた覚えはないし、あの後どうなったのかも覚えてない。
という事は柳田が俺を着替えさせてくれたのか…。
((やッ、柳田は……))
ガバッと横を見るとその布団には柳田の姿はなかった。
着替えが枕元に置いてあると言う事はもう起きたのだろう。
柳田以外のみんなはまだ布団の中で寝息を立てている。
ウジウジしていても何も始まらない。俺は静かに部屋を出て、リビングへ向かった。
リビングをそっと覗くと柳田が台所で鼻歌を歌いながらフライパンをクルクルと操り、調理していた。
その足元には雪とミケが柳田の足にじゃれて遊んでいた。
((…お前ら…やっぱ、めっちゃ懐いてんな…))
『ちょっと待ってろよー♪ちゃんとご飯あげるから。みんな起きてきたら一緒に朝飯食おうな』
そう言って2匹の頭を撫でる柳田の笑顔には裏が無い様な笑みだ。昨日の夜、俺に見せた何だかゾクッとする様な笑みではない。
『は、はよ…』
柳田と目を合わせないよう、視線を横にずらしながら言った。
『お!影宮くん、おはよ。昨日は影宮くんが作ってくれたから今日は俺が朝飯作るな!』
((あッ…いつも通りの顔だ。何も無かったような…そんな顔。))
『お前も、料理出来たんだな』
『俺ん家、兄弟多いって前話した事あったろ?ガキの頃から母さんに色んな事教えてもらってたから家事はだいたい出来るんだよ。影宮くんほど美味く作れる自信ないんだけど料理は得意な方なんだぞー』
『そっか、じゃあ今日は頼む』
すると柳田の足元でじゃれていた雪とミケが俺の方へと歩いて来た。俺はソファーに座り、2匹を撫でながら愛でていると不意に柳田が口を開いた。
『影宮くん。あのさぁ……昨日は何かごめんな。
俺あの時、周りの事全然見えてなかったわ。怖い思いさせてごめん…別に傷つける為にやった訳じゃないんだけど…』
『おお、大丈夫だから気にすんな。じゃああいつら起こしてくるな』
『ありがとう、よろしくね』
俺は2匹を膝や胸の上から降ろしソファーから立ち上がると階段へ向かった。
…………柳田の前では平然を装っていたが実際の所、恥ずかしさと頭がどうにかなりそうだった。焦りと不安で髪をグシャグシャとかきながら階段をゆっくり上っていく。
((あ゛ぁぁ………緊張したぁぁ…………………))
今日で3連休を使った勉強会は終了になる。そして明日からまた普通の学校生活が始まる。柳田と以前の様に普段通りに話す事は出来るのだろうか…?
【もっと気持ちよくしてあげる。】
【我慢してないで声出しなよ。】
【気持ちいいんでしょ?】
【すぐ影宮くんの気持ちいい所、見つけてあげるからさ】
どうしても昨日の柳田の顔と言葉が頭の中でグルグルと回る。
いつも明るく笑顔を絶やさない柳田が、あんな顔をするなんて思ってもいなかった。俺の恥ずかしい姿を見て笑っていた。《ゲス顔》と言った方がわかりやすいのだろうか。
まるで別人の様に変貌し、雰囲気も全然違った。柳田から不気味さを感じたのは初めての事だった。
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