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5人
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…ダンッッ………キュッキュ、
《ヘイヘイヘーイ!パスパース!》
《シュートシュート!》
《ッしゃーっ!ナーイス!!》
体育館の扉の前に着くと中からボールが跳ねる音とバッシュで床を踏む音、それと、声が聞こえた。
『こんちはー、』
入口で上履きを脱ぎ、バッシュに履き替えていると背後から声が聞こえた。
『お、今度は青いリストバンドか?』
首だけ回し、その声の方へ顔を向けるとそこにはボールを人差し指でクルクルと回す駆の姿があった。
『おー、駆。勉強会お疲れ様。よく気付いたな』
『おう!前、つこてたリストバンド影宮にあげたんや、思て。大切な友達て影宮の事だったんかー、なるほどなぁ。
あ、せや。キャプテンからの伝言で【1年生ミーティングするから部室に集合】やて。俺、先言って待ってるさかい早よ来いやー、』
『ああ、わかった。すぐ行く』
部室へ入ると俺以外の1年5人はもう既に集まっていた。
『失礼します、遅れてすみません』
空けられていた空間の床に座るとキャプテンの青山先輩が口を開いた。
『お前らに集まってもらったのは、これからの事で相談したかったからなんだ。
今年の男子バスケットボール部の入部者は、たった5人。去年の春、つまり今の2年生の頃の入部者と比べたら、およそ3分の1だ。』
確かに今年のバスケ部入部者はいつもより少ないらしい。
今の3年生の代は20人入部したし今の2年生の代、つまり去年の入部者も約15人。それに比べて今年は、たったの5人。2桁もいかない人数。
『これから練習を重ねて強くなったら、この5人の中からスタメンが出るかもしれない。2年後、3年後の為にこれからもっと力を付けてもらいたいと思っている。
もしも3年後、お前ら5人全員がスタメンだったとしよう。試合前の大事な時期に誰か1人が怪我をしたとする、その時はどうする?実力でいえば3年生が1番上な訳だし練習量も身体つきも1番だろう。
1人でも欠けるとそのチームワークはバラバラになり敗北に繋がってしまう。そんな事が無いように1人でもいいからメンバーを増やして欲しい。控えに1人いるだけでも安心感が違うだろう?
誰か知り合いの1年で現在帰宅部のスポーツ得意そうな男子いないか?
来月のテスト前までに結果を俺に報告してくれ、
俺からの話は以上だ、頼む。』
そういって青山先輩は部室を出ていった。
『新しい部員かぁ…………。俺、1人だけ心当たりあるんやけど……運動神経良くて今、部活入ってない奴やろ…?』
『実は俺もや』
『ごめん、俺も…………』
『『『『『影宮!(くん)』』』』』
5人が声を揃えて口を開いた。
口から出た言葉、みんなが思っていた人物は【影宮くん】。
『……え、なに。みんな一緒…?』
『そー…みたいやな……。』
『まじか、すっげー……じゃあ海翔が影宮に頼んでくれるか?クラス一緒だろ?』
『まぁ……一緒だけどさ、そんな急に俺が言ったとして……OKしてくれるかな…』
『無理だった場合、俺らも一緒に頼みに行くからさ!な!!頼む!』
『お、おう…………』
『じゃっ、よろしく!!
って事で……解散ッ!体育館行こーぜ!!』
結局その日、バスケ部への勧誘役を任されたのは俺だった。
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