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第二罪 「黒ト紫」Ⅴ - said Aka
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偽りの愛。
偽りの快楽。
偽りの言葉。
それらが溢れる、この街が、
俺は少し嫌いだ。
そして、その全て、この街の象徴である彼もまた、
俺は嫌いだ。
ーーーーーー
「おぉ、なんや騒がしいと思ったら…
お前さんかいな」
男遊郭の入り口に立つ門、「楼門」。
そのすぐ隣に店を構える小間物屋「小桜」。
ここが俺、傾城黒椿の居場所。
俺の毎日と言えば、
男遊郭の様々な場所に位置する「小桜」を周りつつ、
異変や不審者がいないか見回りをする。
そして時々、一際目立つあの黒と白の城に目を向け、
今日も優雅に時間を持て余しているだろう彼を思い浮かべ……
僅かな苛つきを感じながら仕事を再開する。
そんな日常を繰り返す俺に、
大嵐を持ち込んでくるのも、
また、彼だったのだ。
「よぉ、元気かよ?紅」
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