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……はい?
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「誘也(ユウヤ)話しがあるの、ちょっといい?」
土曜の午後、大好きなオ○スプのCDをマンションの防音効果を試すが如くの大音量で聴いていると、いつもなら煩いだのテレビが見れないだの言ってくる母が遠慮がちに話し掛けてきた。
俺は何だか嫌な予感がしつつもCDコンポの停止ボタンを押し、母に促されるままリビングのソファーに腰を下ろして話を聞く体制をとる。
「急な話しで悪いんだけど落ち着いてよく聞いてね」
改まったように母が切り出し、俺の嫌な予感はあながち外れていないのだと確信した。
「明後日から聖鳳(セイホウ)学園に行ってもらえないかしら」
……はい?
急な話、というよりも母は唐突に結論だけを簡潔に言い放った。
そう、この人はいつもこうだ。面倒な説明は一切省き、結論だけをいきなり突き付け、しかもそれは大半が相談ではなく決定事項だ。
俺はというと、いつもの事ながら突然の母の提案に頭が付いていけないでいた。
「もう、ちゃんと聞いてる?もう一度だけ言うわよ、聖鳳学園に…」
「ちょっ、ちょっと待って!聖鳳学園ってあの?」
「あら、聞こえてたんじゃない。そうなの、兄さまが誘也に是非来て欲しいって言って下さってね」
"聖鳳学園"この辺じゃ知らない人は居ない程有名な私立高校。
その外観は豊富な緑の広い庭園にお城のような校舎で、ここが日本だという事を忘れさせてしまう効果がある。
そしてそこに通っている学生がまた凄い。
財政介のお坊ちゃまから有名人、はては何処ぞかの国の皇子までが留学に来るという、それはそれは格式高いお坊ちゃま高校だ。
そして、俺もちょっと信じ難いのだが、実はその学園の理事長が俺の伯父だったりするのだ。
「かっ、母さん?俺、2ヵ月前に今の公立高校に入学したばっかなんですが…」
「やあね、そんなの知ってるわよ」
悪びれるそぶりも見せず母はそう言い放つと、既に反論する力もない程驚き過ぎている俺に、更に唖然とさせる話を持ち出した。
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