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帰りたい…
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"聖鳳学園"この辺じゃ知らない人は居ない程有名な私立高校。
その外観は豊富な緑の広い庭園にお城のような校舎で、ここが日本だという事を忘れさせてしまう効果がある…
「………って?」
──いやいやいや、何だこの異空間は??
聞いてた通りの学校だけど、想像以上だろ??広すぎるし、デカすぎるわ??
「ようこそお越し下さいました、誘也様」
目の前の光景に困惑し完全に機能停止中の俺を見兼ねてか、執事風のダンディーなオジサマが近寄ってきて綺麗なお辞儀をすると、素敵な笑みで挨拶をされる。
「私、誘幻(ユウゲン)様の執事を勤めさせて頂いております、桐谷(キリヤ)と申します。以後お見知り置きの程、よろしくお願い申し上げます」
「…あ、伯父がいつもお世話になっております、甥の誘也です。よろしくお願いします」
努めて平静を装ってはいるが、内心パニックで頭は追い付いていかない。
執事って何でだよ?というツッコミを入れることなく、辛うじて反射的に笑顔で挨拶を交わす事が出来ている俺を、自分で自分を誉めてやりたいと思う。
「誘幻(ユウゲン)様がお待ちかねです、どうぞこちらへ」
──うん、やだ、帰りたい…
ただの一般庶民の男子高校生でしかない俺にとって、この学園と目の前の執事は異世界と異世界人そのものである。
学校って何だったっけ?
もう心が折れそうだよ、母さん…
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