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やっぱ嫌い
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____チュン、チュチュン…
朝日を浴びて鳥が鳴き始めた頃。
「あー眠れねぇ…」
俺の目はガンガンに冴えていた。
結局あれから一睡も出来ず、ただひたすらに考えていただけ。
…ヤメだヤメ!!
元々馬鹿の俺が頭を使っても意味ないことだったんだ。
とかいいつつ、ちゃっかり京のベッドで寝てる俺。
だってしょーがねぇじゃん。
京が俺のベッドで寝てんだもん。
京と同じベッドなんて、余計眠れねぇ。
と思って京のベッドを借りたのに、京の匂いがするベッドはさらに俺の睡眠不足を誘った。
「眠ぃ…」
くそ、睡眠不足と考え過ぎのせいでイライラする。
なんなんだよ、昨日の寝言。
“ごめんなさい…”
誰に対して?
なんで?
「そォんなの決まってらァ!!
俺に対して、最近の仕打ちを、だろうがァ!!」
「朝から吠えんな、犬。」
ギクッ
こ、この声は…
「お、起きてたのかよコノヤロー…!!」
「なにビビってんの。」
コ、コイツ…どっから聞いてたんだ?
いやいや、俺考えてただけで。
何こんな焦ってんだ。
「…お前、寝不足なの?
目つき更に悪くなってるけど。」
「う、うるせぇ!!
お前こそ、昨日は熟睡だったじゃねーか…!!」
俺がそう言うと、京はとても驚いた顔をして、その後少し考えていたようだった。
「な、なんだよ…」
「いや…
人前でこんなに深く眠ったのは初めてだ、と思ってな。」
…は。
なに言ってんの、こいつ。
俺に心許してるとでも言いたいわけ。
ふざけんな。
「それで俺が心を許すとでも思ってんのか?
冗談じゃねぇ!!
てめぇなんかに、誰が…ッ!!」
「なに勘違いしてんだ。
そうじゃない。
…それにしても、主人にテメェとは良い度胸だなぁ…??
調教が足りないと見える。」
「は、はぁ…??」
やばい、コイツが寝起きだからと思って油断してた…
今、完全にスイッチ入れちまった。
「シラフでも昨日みたいに鳴いて喜べるようにしてやるよ。」
「は!?
俺そんなこと…!!」
「ああそうか、トんでて覚えてないんだな。」
なに、なになに…!?
俺なんか言った?
俺、なんかしちゃった!?
「昨日はお前が俺の上に乗って…「あーーっ!!」
「…ッ、いきなりデカい声を出すな。
シバくぞ。」
やばい、やばいやばい…
その先の言葉を聞いたら、俺絶対恥ずか死ぬ!!
「言うな!!言ったら俺の心が壊れる!!」
「壊しちまえよ、そんなモノ。」
京が耳元で囁く。
それに身体を震わせながらも、必死で引き剥がした。
「最低!!最悪!!鬼!!悪魔!!」
思いつく限りの暴言を吐いてやると、京は笑った。
「…っふ、はっ…!!
発想が小学生以下…!!」
~~~~~~~~っ!!
やっぱコイツ大ッ嫌いだ!!!!!
…ん?
“やっぱ”?
俺は最初から今までずっと、コイツが嫌い。
やっぱ、ってのはおかしいか。
…ずっと、
そうだ、ずっと嫌いだ!!
俺は京が、ずっと大ッ嫌い。
…あれ、俺なんで“やっぱ”なんて言ったんだろう。
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