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捨てられたから、捨てた
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「俺は親が心底嫌いだ、反吐がでるくらいにな。」
「…そういえば、お前の昔話は聞いたことがなかったな。
なぜそんなに親が嫌いなんだ?」
「嫌いだからだ。」
親は俺をすてた。
だから俺も、すてた。
「その理由を聞いてるんだ。」
「話してどうなる。」
「俺が知りたいから話せと言ってるんだ。」
「ハァ…
めんどくせぇやつ。」
「褒めてもらって光栄だよ。」
誰が話すか、ばーか。
お前の思い通りになんて、なってやんねぇよ。
それに…
“あなた、ご飯できたわよ”
“おう、すまん。”
“おかあさん、おれのは?”
、、、、、
“今日も夫婦2人分、美味しそうね”
“ああ、そうだな。”
もう思い出したくもねぇ。
「あんなのぁ茶番だ。
テメェとの関係と同じ。」
「…?」
「カゾクごっこ。」
“おれはここにいるよ!
むししないでよ!
…もう、独りはやだよう…!”
「…チッ、思い出しちまった。
胸くそ悪ぃ。」
「おい。」
「あんだよ?
俺ぁ眠ぃんだ、もう寝る。」
「待て、手当の最中だろ。
それに、話を聞いていない。」
「俺は親に捨てられた。」
「…!」
「だから俺も、親を捨てた。
俺に親はいない。
これで満足か?
…手当は、もういい。」
俺はもう、寝る。
瞼が重くて、しょうがないんだよ。
頭の奥がうねって、響いて___
どうしようもないくらい、気持ち悪ぃ。
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