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俺とヨシとプリン
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俺の家庭環境はちょこっとだけ複雑で、小4の時まで母子家庭で育ってきたんだけど、母が寝ている間に不整脈でひっそりと息を引き取ってしまったので、おいてけぼりをくらった俺は父に引き取られた。
父はとっくの昔に再婚していて再婚相手との間に子供もいた。
俺の二つ下で、名前は佳也(よしや)。
その時に初めて会った訳じゃないけど、会ったと言っても佳也が赤ちゃんの時と、七五三の三の時の2回しか会ってなかったから、佳也は初めましてだと思ったらしい。
実際、一緒に住むってなった時に、「初めまして」と言われたのを覚えている。
最初こそよそよそしかったものの、今ではすっかり仲がいい。
仲が良すぎて兄の威厳っていうのがゼロで完全に舐められてるのがちょっと問題点。
「ただいまー」
リビングに入って直ぐ冷蔵庫に向かってストックしておいたプリンを探す。
が、プリンがない。なんで。
「あ、ミネおかえり。なぁ服貸して」
こいつが弟の佳也。佳也だからヨシ。
流行りのツーブロマッシュで若干髪をブラウンに染めてる。
中3のくせにマセガキだ。
「はい?自分の服着ろよ。ってかプリン行方不明なんだけど何で!」
「あ、モンブラン乗ってるやつ?あれ美味しかったよー。それより服貸してくんない?ジャケット今洗濯機で手元になくて困ってんだよね」
「はぁ!?なに?お前なに食ってんの!?それより!?プリンより大事な話があるか!?」
「なぁジャケット貸してってば」
「嫌」
「ケーキ屋さんのプリン買ってあげるから」
「は?俺は物で釣られるような男じゃねーから」
「ティラミスも買ってあげる」
「クローゼットの一番左」
「ありがとー」
そう言って階段をバタバタと駆け上がる。
不覚にもケーキ屋さんのプリンとティラミスに釣られてしまった。
でもケーキ屋さんのプリンってめちゃくちゃ旨いんだよ。ティラミスだって俺の大好物なんだよ。しょうがないよ。
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